元海将の伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮と圧力をかける米国との「チキンゲーム」(我慢比べ)が当面続くものの、長期化した場合には米国が核を「持たせた上で使わせない」との方針に政策転換する可能性があるとみている。11日、ブルームバーグの取材で語った。

  核保有を認めた場合には、抑止のためにまずは韓国で米国の核兵器を配備する「核シェアリング」の議論が起こると伊藤氏は予測する。次の段階では日本国内への配備も検討課題となる可能性があるとしており、被爆国である日本にとって「国論を二分する議論になるだろう」と指摘した。一方で、圧力をかけ続けた場合には「ゴールは戦争しかない」と懸念を示した。

  日本への核配備をめぐっては、石破茂元防衛相が6日、北朝鮮の核開発進展を受け、日本独自の核兵器保有と製造だけでなく、米国の核持ち込みも禁じた「非核三原則」の見直しを議論する必要性に言及。菅義偉官房長官は「これまでも見直しの議論をしてきておらず、これからも議論することは考えていない」と語った。

  伊藤氏は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)については、北朝鮮が公開した写真の中にはまだ打ち上げられていないミサイルがあるため、今後発射を強行する可能性があるとの見方を示した。北朝鮮が予告している米領グアム島周辺への発射は米国に自衛権発動の口実を与え、軍事行動の引き金になることから、「ないと思っている」とも話した。

  北朝鮮が6回目の核実験を強行したことを受け、国連安全保障理事会は11日、制裁を強化する決議を全会一致で採択した。決議は北朝鮮の石油精製品の輸入を年間200万バレルに制限するとともに、繊維輸出の禁止などが盛り込まれている。米国はロシアと中国の支持を得るため、石油の禁輸など主要な要求を断念した。

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