12日の東京株式相場は連騰。ハリケーン「イルマ」が米国経済に与える打撃は限定的になるとの見方が広がった。米長期金利の上昇や為替のドル高・円安推移が好感され、保険や銀行など金融株、電機やゴム製品など輸出株、非鉄金属株など幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比15.19ポイント(0.9%)高の1627.45、日経平均株価は230円85銭(1.2%)高の1万9776円62銭。両指数とも8月8日以来、およそ1カ月ぶりの高値。

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、「『イルマ』は勢力がかなり弱まり、もはや材料ではない。今後は復興需要注目が集まり、景気や株式にプラスになる」と指摘。この2日間で底入れしたとみる日本株は、世界的にファンダメンタルズが良好な中、「日経平均は従来の2万円を挟んだレンジ取引に戻る」との見方を示した。

東証内
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米銀大手のシティグループは、「イルマ」に関連する推定総損失額を従来の1500億ドルから500億ドルに下げた。北朝鮮を巡る緊張状態が高まらなかったこともあり、11日の米国株はS&P500種株価指数が約1カ月ぶりに過去最高値を更新。ニューヨーク原油先物は1.2%高の1バレル=48.07ドルと反発、ロンドン金属取引所の銅やニッケル価格も上昇した。

  米10年債利回りが2.13%と8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇したことを受け、きょうのドル・円相場は1ドル=109円20-50銭台で推移と、前日の日本株終値時点108円34銭から1円ほどドル高・円安方向に振れた。

  国連の安全保障理事会は11日、全会一致で北朝鮮制裁強化決議を採択した。米国は石油禁輸と金正恩・朝鮮労働党委員長の資産凍結を除外、従来案より内容を和らげた。SMBCフレンド証券の松野利彦チーフストラテジストは、「北朝鮮側に配慮した内容で、従来より緊張感を和らげた」とみている。

  海外市場のリスクオン回帰の流れを受けたきょうの日本株は、朝方から金融セクター中心に幅広く上昇。日経平均は午後の取引で、一時246円高の1万9792円と8月15日以来の日中高値水準まで上げた。一方、岡三証券投資戦略部の山本信一シニアストラテジストは、1万9700円台は8月上旬にもみ合ったレンジの下限であり、「ここから上は勢いだけでは抜けられず、新たな買い材料が必要」と指摘している。

  東証1部33業種は保険や証券・商品先物取引、その他製品、パルプ・紙、非鉄金属、ゴム製品、銀行、海運、不動産など32業種が上昇。建設1業種のみ下落。売買代金上位では、SMBC日興証券が投資判断を「買い」に上げた日本製鋼所が急騰。電気自動車(EV)など車載関連の新製品に期待感が広がった日本電産のほか、任天堂やファーストリテイリング、日本郵政、住友金属鉱山も高い。半面、ソニーや鹿島、楽天は安く、みずほ証券が判断を下げたサイゼリヤ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が判断を下げたVOYAGE GROUPは下落率上位に並んだ。

  • 東証1部の売買高は16億5476万株、売買代金は2兆2254億円、代金は2営業日ぶりに2兆円の大台乗せ
  • 値上がり銘柄数は1503、値下がりは447
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