ECBクーレ理事:持続的なユーロ上昇、インフレの重しになる恐れ

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は11日、ユーロの持続的な上昇は景気加速によって影響が相殺されなければインフレを抑えることになりかねないと警鐘を鳴らした。緩和的な金融政策を長期化させる根拠を強めた。

Benoit Coeure, executive board member of the European Central Bank

Photographer: Alex Kraus/Bloomberg

  同理事はフランクフルトで「為替相場への外的な衝撃が持続すれば、金融環境が不適切に引き締まり、インフレ見通しに望ましくない影響を及ぼすことがあり得る」と述べた。

  ユーロはドルに対して今年14%上昇し、ECBがインフレ率予想を下方修正する一因となった。

  クーレ理事は、ユーロ圏の景気改善で企業は値上げによってユーロ高の影響を緩和できる状態にあると指摘。このためユーロ高は差し迫った懸念材料ではないものの、警戒するべき理由があると語った。

  「為替レートを動かすさまざまな衝撃の寄与度が時間とともに変化した場合、インフレへの影響についてのわれわれの判断も変わらざるを得ない」とした上で、「ユーロの対ドル相場と米国とドイツの長期金利格差が乖離(かいり)し始めていることは、そのような状況に入りつつあることを示唆している可能性がある」と分析した。

  為替相場の物価への影響は景気回復の強さにも左右されることから、ECBの「政策はより長い期間にわたってより緩和的にとどまり」、為替相場の影響抑制に大きな役割を果たしていくと語った。

  ECBの非伝統的政策措置にもかかわらずインフレが目標水準に戻らないことへの批判に対しては、金融政策は経済の活性化に向け金融環境を緩和させることができるが、コントロールできる事柄には限りがあると論じた。

  「金融政策は総需要を喚起するのに無力ということは全くない。事実上の金利の下限に近づいている時でもだ。低インフレが続いているという事実はむしろ、影響波及の第3段階における制約を反映している。つまり、経済活動から価格に波及する段階で、これは多くの場合、金融政策のコントロール外だ」と説明した。

原題:ECB’s Coeure Warns Persistent Euro Gains May Weigh on Inflation(抜粋)

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