弾道ミサイルなどに利用されるタングステン、中国の政策で価格高騰

  • タングステン価格は過去2カ月間に50%上昇
  • 中国政府はタングステンの生産割り当てを実施
Photographer: Daniel Berehulak/Getty Images

西欧諸国の経済と防衛にとって最も重要な原材料の一つである金属の価格が、他の主要商品を上回るペースで高騰している。

  弾道ミサイルや工具のドリルビットなどに利用されるタングステンの価格は、主要生産国である中国での供給減少懸念が強まる中、過去2カ月間に50%余り上昇している。中国はタングステンの生産の約80%を占める。中国当局は環境汚染につながっている鉱山を取り締まり、生産割り当てを設定している。

  アーガス・コンサルティング(メタルズ)のシニアマネジャー、マーク・セドン氏は「中国はタングステンの生産を管理しようとしている。割り当て分以外の生産を取り締まるため環境政策を利用している」と指摘する。

  メタル・ブレティンによると、欧州ではタングステン価格が7月初め以降52%上げ、上昇率はブルームバーグ商品指数を構成する22品目全てを上回っている。

  欧州連合(EU)はタングステンを「重要な」商品の一つに分類し、英国地質調査所は英国の経済とライフスタイルを維持する上で必要な原材料の供給リスクリストのトップに挙げている。2012年には中国による供給抑制について、当時のオバマ米大統領が世界貿易機関(WTO)に苦情申し立てを行った。

  セドン氏によれば、中国は供給を年間約9万1300トンに制限しているが、常にこの割り当てを最大50%上回っている。他の金属を生産する鉱山の副産物として多く生産されるのが一因という。

原題:China Sends One of the West’s Most Critical Materials Soaring(抜粋)

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