【債券週間展望】長期金利はマイナス幅拡大へ、円高懸念で買い圧力

  • 円高進行で日銀オペ減額しづらいとの見方も-SBI証
  • 北朝鮮情勢に大きな変化なければ高値圏もみ合い-岡三証

9月第2週(11日-15日)の債券市場では、長期金利がマイナス幅を拡大すると予想されている。米欧金利の先高観後退や、北朝鮮を巡る地政学的リスクから円高圧力が掛かりやすく、債券の買い手掛かりになるとの見方が出ている。円高局面では日本銀行が買い入れオペを減額しにくいとの観測も背景にある。

  長期金利の指標となる10年物国債利回りは、北朝鮮の核実験実施を受けたリスク回避の動きを背景に4日には一時マイナス0.01%と、昨年11月15日以来の水準に低下した。5日実施の10年債入札が弱めの結果になると売りが優勢になり、6日には0.015%と8営業日ぶりの水準まで上昇。その後は地政学的リスクがくすぶる中で、8日には再びマイナス0.01%まで切り下げた。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「米国と欧州の金融政策正常化が想定よりも緩やかなペースになるという見方になっており、米欧の金利先高観後退を背景として円高に振れやすい」とし、「カーブ的にはフラットニング圧力が掛かる可能性がある」と予想。また、「北朝鮮を巡る問題も引き続き解決が見込みにくい状況で、日本経済に影響が及ぶなど本当の意味で日本売り・円安材料として意識されるまで、債券市場では買い圧力につながる」とみる。

日銀オペ

  日銀が発表した9月の国債買い入れの運営方針によると、13日には残存期間1年超5年以下と5年超10年以下、15日には1年超5年以下と10年超を対象とするオペ実施が予定されている。

  SBI証の道家氏は、「長短金利操作(イールドカーブコントロール)策で長期金利の誘導目標をゼロ%にしているため、海外金利が下がると余計に円高が進みやすくなるという悪循環に陥っている」と指摘。「円相場との関係を考えると、特に5-10年は減額しづらいということをマーケットに見透かされて金利低下に働きやすい」と話す。

  一方、財務省は12日に5年利付国債の入札を実施する。発行予定額は2兆2000億円程度となる。14日には20年利付国債の入札が予定されている。発行予定額は1兆円程度。いずれも償還日が前回債よりも延びて新しい回号での発行となる見込み。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 北朝鮮情勢に大きな変化がなければ高値圏もみ合い、金利は上がるより下がる可能性の方が高い
  • 入札は引き続き相場の上値抑えるが、20年債は需要が幅広いので結果は良いかもしれない
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.02%~0.02%

  
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

  • 北朝鮮情勢、開戦も対話の進展もない混沌とした状況が続く見通し
  • 10年債利回りは引き続きゼロ%を挟んだ推移になるとみる
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.015~0.035%

   
◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト

  • 5年と20年入札、グローバルに金利が下がる中で円高のヘッジ需要もあり無難に消化するだろう
  • 10年金利が下がり過ぎると銀行業績などには悪影響も、円高進行でオペ減額しづらく日銀としては非常に難しい状況
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.03%~0.02%

*T

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