【日本株週間展望】円高懸念で安値もみ合い、日米経済指標は改善予想

  • 円は対ドルで10カ月ぶり高値、業績リスクを意識
  • 米CPIは前月比0.3%上昇見込み、伸び鈍く低金利長期化観測に
Bloomberg

9月第2週(11-15日)の日本株相場はもみ合いが予想される。地政学的リスクに対する懸念はやや和らぎそうだが、急激な円高進行を受けて業績上乗せ期待が後退している。日経平均は4カ月ぶりの低水準となる1万9000円台前半で推移しそうだ。

  ドル・円相場は8日に107円台後半と16年11月以来のドル安・円高値を付け、日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)による企業の今年度の想定レート108円31銭を割り込んだ。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は「米ハリケーンの経済への悪影響も警戒される。107円台が続きリスク回避から日経平均が1万9000円付近まで下げることもあり得る」とみている。

  経済指標で注目されるのは、14日に発表される米国の8月の消費者物価指数。前月比0.3%上昇(前回0.1%上昇)が見込まれている。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「物価の伸びはまだ鈍く、今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)でドットチャートが下方修正される可能性がある」と指摘。米長期金利が低水準でこう着し、株式などリスク資産への資金流入が継続しやすいとみる。国内では、11日発表の7月の機械受注が前月比4.2%増と、6月の1.9%減から大幅に改善する見込み。ただ、19、20日にFOMCを控え、金融緩和策の正常化ペースを見極めたいとして様子見機運も強い。

  米アップルが12日に開く新製品イベントが注目されている。SMBC日興証券では有機ELディスプレーを搭載した新型iPhone(アイフォーン)の年内の生産可能台数予想を4500万台と、従来の上限6000万台から引き下げた。「iPhoneのスーパーサイクルを期待してきた電子部品などの関連銘柄に短期的な調整リスクがある」と担当アナリストらはみている。9月1週の日経平均株価は前週末比2.1%安の1万9274円82銭と反落。北朝鮮の核実験実施で地政学的リスクが警戒されたほか、大型ハリケーンによる米国経済への悪影響が意識され米長期金利は年初来最低水準に低下した。

<<市場関係者の見方>>
三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
 「9日の北朝鮮・建国記念日後は米朝間の応酬はいったん小康状態になると予想する。米国は対話で解決しようとしており日本株も戻るだろう。ただ、7月の経常収支でも黒字額は高水準で円高プレッシャーは強く、値がさハイテク株を中心に輸出関連株は買いにくい。目先は為替リスクの小さい内需株に目が向きやすく、サービス、運輸、建設、食料品などが買われるだろう。日経平均は1日高値の1万9700円台への戻りを意識、想定レンジは1万9000-1万9800円」

あすかアセットマネジメントの平尾俊裕社長
 「北朝鮮の建国記念日を通過しても地政学リスクは何ら決着しておらず、海外勢が積極的に日本株を買いにくることは期待しにくい。米国の利上げは年内なし、来年も1回程度など極めて緩やかで、米金利はもう少し低下する可能性がある。金利低下から円高方向となっていることでますます様子見姿勢になりやすい。ただ、2.1ー2.5%とみていた米10年債利回りレンジが少し下がるだけで、2%を大きく割り込んでいくことはないだろう、1ドル=105円を目指す円高になるとはみていない。日本株はバリュエーションが高いわけではなく、投資家が無理にポジションを減らさなければならない状況にはない。日経平均の想定レンジは1万9000-1万9500円」

三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
 「翌週のFOMCでバランスシート縮小が決まれば、米国をはじめ世界株が急落するリスクもあり様子見姿勢が強まりそう。大型ハリケーンが米国に近づき米経済への悪影響が懸念されているほか、債務上限問題で年末に政治が停滞するとの見立てなどで、米当局は12月に利上げできないとの見方が強まっており、9月の下限とみていた米10年債利回り2%を割り込む可能性がある。ドル安・円高は業績期待の後退という面で日本株の下押し圧力になる。日経平均の想定レンジは1万9000-1万9500円」

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