EV向け需要に対応-旭化成がセパレータ生産能力、一層の強化検討

  • リチウムイオン電池用セパレータの増強計画、上方修正の可能性も
  • 2015年に米ポリポアを買収、旭化成の株価は年初来で約25%上昇
Photographer: Mark Elias/Bloomberg

旭化成は、電気自動車(EV)のバッテリーに利用されるリチウムイオン二次電池用セパレータの生産能力をさらに増強することを検討している。EV向け需要の拡大に対応する。

  セパレータ事業本部企画管理部長の福田明氏は「日々状況が変わっている。顧客の需要動向に合わせて工場を建設するので、今後も見直して近いうちに上方修正することになる」との見通しを示した。同社は既に2020年までに生産能力を年間11億平方メートルにする計画を発表している。

  現在のリチウムイオン電池用セパレータの生産能力は年間6億平方メートルで、3月時点の発表によると19年度上期に8.6億平方メートルまで増強する予定。旭化成はセパレータの製造技術のうち湿式による製品を手掛けていたが、15年に米ポリポア・インターナショナルを買収し乾式製法も可能になった。

  セパレータは電池の正極と負極を分離し、電極間のイオンを微細な穴を通して伝導させる薄いフィルム。湿式は樹脂に溶剤を混ぜ込んでから穴を開ける製法で、高強度の製品を作りやすいが設備コストが高くなる。乾式は溶剤を使わず比較的安価で製造できる。

  企業や研究機関で次世代電池の開発が進む中、現在普及している電池の部材の一つである電解液を使用しない全固体リチウムイオン二次電池が注目されている。電解液が使用されなくなるとセパレータは不要になるとの見方もあるが、旭化成は全固体リチウムイオン二次電池が車載用に使われるのはまだ先との見通しを示した。

  旭化成の企画室長の塚田泰男氏は、さまざまな電池メーカーが大規模なリチウムイオン電池工場を建設しており、「固体電池が市場に本格的に供給され始めたときにそれらを全部固体電池の工場に造り替えるというのは現実的ではない。一気には変わらないとみている」と語った。

  同社の株価は年初来で約25%上昇している。

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