米沿岸に大量に生息する「ヨーロッパマダイ」は、多くの米国人にとってなじみがない魚だ。しかし、かつて「ファーム・トゥ・テーブル」という食材の地産地消を普及させたシェフらが海にも目を向けてくれたおかげで、日の目を見つつある。

  ミッドタウンマンハッタンにある評判の高いレストラン「オセアナ」で、シェフのビル・テレパン氏は最近、ヨーロッパマダイをメニューに加えた。より高価な魚を狙う漁師が釣り上げても、市場で見向きもされないような存在だったこの魚にとっては、かなりの快挙だ。

シェフのビル・テレパン氏
シェフのビル・テレパン氏
写真家:Deena Shanker / Bloomberg

  テレパン氏はミシュランの星を獲得した地産地消のパイオニアだったレストランを経営していたが、昨秋オセアナに加わった。その後にオセアナに起きた変化は、ヨーロッパマダイの提供だけではない。同店ではサメも料理する。

  テレパン氏は6月、同レストランをジェームズ・ビアード財団が率いる持続可能な海産物の提供を目指す新たな取り組み「スマート・キャッチ」に参加させた。

  「私がやろうとしているのは、この店を持続可能な方向に向かわせることだ」と同氏は述べた。

  タイミングは抜群だ。米国では自宅でのシーフード消費はほぼ変わらないものの、レストランで海産物料理を注文する人は増え、魚や貝などの産地を知りたいという関心も高まっている。スマート・キャッチに参加するレストランは現在292カ所を数える。
  一方、米東海岸のサラダチェーン「チョップト」は最近、エビの調達において米国で捕れた天然の海産物を販売する「シー・トゥ・テーブル」との提携を発表した。

「チョップト」のエビ入りサラダ
「チョップト」のエビ入りサラダ
ソース:Chopt

  天然の海産物が必ずしも養殖より優れた選択肢というわけではないが、シー・トゥ・テーブルの創設者ショーン・ディミン氏は確実に最良な方法で漁業が行われるように、漁師と緊密な関係を築いている。

  チョップトで売られているメキシコ湾のエビについても、ウミガメが網に引っかからないように法律で義務付けられた装置などを漁船に確実に使ってもらうようにしている。「その結果、かなりクリーンな漁業が行われている」とディミン氏は述べた。

  テレパン氏はヨーロッパマダイが好評だと話した。骨について顧客から苦情があったが、「調理前に骨を処理する新しい方法を見つけた」ことで問題は解決されたという。

シー・トゥ・テーブルの創設者ショーン・ディミン氏
シー・トゥ・テーブルの創設者ショーン・ディミン氏
出典:Sea to Table

原題:What Chefs Want You to Know About Your Fish and Where It’s From(抜粋)

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