9月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下げ縮める-市場はECBの動きを見極めへ

  7日のニューヨーク外国為替市場では、一時2年ぶり安値に下落したドルが午後に入り下げをやや縮めた。米国債利回りこの日の最低水準から離れたほか、利益確定売りの動きが少ない中でテクニカル面での重要な水準を維持したことが手掛かり。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は約0.7%低下。午前中は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の記者会見を受けてユーロが急伸する中で、ドルも大きく下げていた。ドラギ総裁は、ユーロを巡る懸念を繰り返し表明したものの、ユーロ高に対して行動を取る可能性については触れなかった。ユーロは1ユーロ=1.20ドルを超えた。カナダ・ドルは上昇。前日はカナダ中銀の利上げを受けて上昇したが、この日さらに上げを拡大した。市場の関心は8日発表のカナダの雇用統計に移っている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%低下。ユーロは対ドルで0.9%上昇し1ユーロ=1.2023ドル。ドルは対円で0.7%下げて1ドル=108円45銭。

  オアンダのシニア市場アナリスト、クレイグ・アーラム氏は、1ユーロ=1.2000ドルの水準は「極めて重要」だと指摘。終値でこの水準を上回れば1.2150ドルが視野に入ることを示唆し、逆に下回った場合は「確信を持って買いに動くことはできない」ことを示すと指摘した。

  一方でアバディーン・スタンダード・インベストメンツのシニア投資マネジャー、パトリック・オドネル氏はユーロについて、ドラギ総裁の発言で上昇の動きが減速した可能性はあるが、なお上げ続ける見通しだと指摘した。

  ドルの対円相場は、午前中に付けたこの日の安値1ドル=108円05銭からやや持ち直す展開となった。北朝鮮が週末に弾道ミサイルを発射する可能性があるとの見方もあり、円には逃避による買いが入った可能性がある。

欧州時間の取引

  欧州時間には、ECBの政策決定前からユーロは堅調な展開だった。ただ欧州大陸やロンドンのトレーダーによると、ECB会合を控えてポジション再調整の動きはほとんど見られず、出来高は比較的少ない状況だった。

  ECBはこの日、金融政策の現状維持を決める一方、今年に入ってからのユーロ上昇を反映してインフレ見通しを下方修正した。

  ECBは現行の量的緩和(QE)措置の維持を決定。ただ政策委員会は、ユーロ上昇が大半のメンバーにとって懸念要素となりつつあることを明確にした。ドラギ総裁は、ECBにはインフレ率の目安である2%弱の達成という責務があると改めて表明しつつ、達成には「自信と忍耐、そして粘り強さ」が必要だと強調した。
原題:Euro Climbs Above 1.2000 as Dollar Falls, ECB Frets About FX(抜粋)
原題:Euro Set for Best Run in Four Months Despite Jawboning Concerns(抜粋)

◎米国株:小反落、ハリケーン警戒で保険株安い-北朝鮮も意識

  7日の米国株式相場は小反落。ハリケーン「イルマ」や北朝鮮を巡るリスクが意識されて慎重な地合いだった。S&P500種株価指数は取引時間の後半には下げ渋り、前日比ほぼ変わらずとなった。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて2465.10。日中は0.2%下げる場面があった。ダウ工業株30種平均は22.86ドル(0.1%)安の21784.78。ナスダック総合指数は0.1%高となった。
  
  イルマがフロリダ州マイアミ周辺の地域に壊滅的な被害をもたらす可能性への警戒感や、米国債利回りの低下を背景に、銀行や保険などが値下がりし、全体を圧迫した。また、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、当局が債券購入プログラムの先行きに関する決定に近づく中、ユーロの上昇を注視していると述べた。

  S&P500種の業種別11指数では電気通信サービスが最も大きく下げ、次いで銀行、保険など金融株が下落した。一方、ヘルスケアや不動産は上昇した。

  個別株ではブリストル・マイヤーズスクイブが5%高と急伸。「オプジーボ」と「ヤーボイ」併用療法の第3相試験が早期に終了したことにつき、承認の確率が非常に高いとの見方を一部アナリストが示した。

  従業員3500人の削減と一部施設の閉鎖を発表したイーライリリーも買われた。
原題:Treasuries Rally, Euro Soars as S&P Treads Water: Markets Wrap(抜粋)
Stocks Pare Losses, Treasuries Rally, Euro Surges: Markets Wrap(抜粋)
Bristol-Myers Combo Surprises Leerink; Likelihood of Approval(抜粋)
Lilly Will Cut 3,500 Jobs as Drugmaker Trims Costs, Sites (1)(抜粋) 

◎米国債:上昇、欧州債につれ高-10年債利回り年初来の最低更新

  7日の米国債相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)の政策会合を受けてユーロ圏の国債が上昇したことにつられ、米国債の出来高が急増した。フロリダ州に向かって進んでいるハリケーン「イルマ」や、北朝鮮が米国の圧力に対し「強力な対抗措置」取ると表明したことを背景に、警戒感も広がっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して2.04%。ショートスクイーズの動きで相場が一段高となる中、同利回りは年初来の最低を更新した。

  ECBのドラギ総裁はユーロ上昇を注視していると言明し、債券購入プログラムの先行きについては10月に決定する見込みだと明らかにした。新たな政策見通しはほとんど示さなかったと市場では受けとめられた。

  12月の米利上げ確率は2営業日連続で低下して20%。前日の取引終了時点では25%だった。12月8日まで3カ月間の連邦債務上限適用停止が一因だ。連邦公開市場委員会(FOMC)は12月12、13両日に会合を開く予定。

  ハリケーンが接近していることや北朝鮮情勢の緊張がくすぶっていることも12月利上げ確率の低下につながっている。

  先週の米週間新規失業保険申請件数は2012年11月以来の大幅な増加となった。ハリケーン「ハービー」の被害を受けたテキサス州で申請者が急増した。申請件数は季節調整済みベースで前週比6万2000件増の29万8000件。これは15年4月以来の高い水準。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は24万5000件だった。

  米クリーブランド連銀のメスター総裁は、緩やかな利上げ軌道を維持することへの支持を改めて表明。「インフレ率が向こう1年程度かけ、当局の対称的な2%目標に持続的な形で緩やかに戻っていく環境は引き続き整っている」と述べた。
原題:Treasuries Rally, Euro Soars as S&P Treads Water: Markets Wrap (抜粋)
Treasuries Rally, Follow Bunds in Short Squeeze Action (抜粋)

◎NY金:反発、1年ぶり高値-失業保険申請の急増やドル安で

  7日のニューヨーク金先物相場は反発。米新規失業保険申請件数が2012年以来の大幅増となったことや、ドルの下落が背景。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.8%高の1350.30ドルで終了。一時は1355.50ドルと、日中ベースでは昨年9月以来の高値。

  備考:米失業保険申請件数:12年11月以来の大幅増-「ハービー」被害で (1)

  金は「ドルの弱さを背景に上昇している」-RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、フィル・ストライブル氏。週間の失業保険申請件数は「市場予想を大幅に上回った」。

  銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値上がり
原題:PRECIOUS: Gold Surges to One-Year High as Jobless Claims Climb(抜粋)

◎NY原油:小反落、ハリケーン後の製油所再開になお不透明感

  7日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が小反落。ハリケーン・ハービー一過もなお主要製油所が操業を再開する見通しには不透明感が残る。

  IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の調査ディレクター、カイル・クーパー氏はメキシコ湾岸は復旧の過程にあり、インフラに甚大な損害は見受けられないものの「不透明感は著しい」と指摘。「今はただ様子見に回っている人が多いようだ」と電話インタビューで述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比7セント(0.14%)安い1バレル=49.09ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は29セント上昇の54.49ドル。
原題:Oil’s Post-Harvey Rally Stalls With Refinery Restarts Still Iffy(抜粋)

◎欧州株:ストックス600が上昇-ECBの成長見通し上方修正を好感

  7日の欧州株式相場は上昇。今年のユーロ圏成長率が2007年以来の高い伸びになると、ECBが見通しを上昇修正したことが好感された。

  ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の374.95で終了。業種別指数19指数のうち15指数が上昇。上昇率首位はテクロノジー銘柄指数で、1.5%上げた。一方、銀行株指数は0.8%、金融サービス銘柄指数は0.6%それぞれ下落。構成銘柄のうち上昇したのは415銘柄で、下落したのは175銘柄。

  域内の主要指数では、英FTSE100指数が0.6%高、ドイツのDAX指数は0.7%、フランスのCAC40指数は0.3%それぞれ上げた。一方、イタリアのFTSE・MIB指数は0.4%下げ、スペインのIBEX指数は0.1%安となった。
原題:European Stocks Gain as ECB Chief Boosts Area’s Growth Forecast(抜粋)

◎欧州債:イタリア国債を中心に上昇-ECB総裁発言に反応

  7日の欧州債市場では、イタリアとポルトガルの国債を中心にユーロ参加国の国債が上昇。欧州中央銀行(ECB)が緩和策縮小のペースを遅らせるとの観測が広がったことが背景にある。

  イタリア国債利回りは6月以来の低水準を付けた。ECBのドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、ユーロのボラティリティーとそれがインフレに及ぼす影響が不透明感の根源にあり、これを政策決定の際に考慮しなければならないと述べた。また、月額600億ユーロ(約7兆8000億円)の資産購入プログラムに関する決定の大きな部分は10月に行うことも明らかにした。

  みずほインターナショナルの欧州金利戦略責任者、ピーター・チャットウェル氏(ロンドン在勤)は、「予想されていた以上にハト派的だった」とし、「ドラギ総裁が幾度となくユーロ高について言及したことに驚いた。これがユーロ建て資産がドル建て資産を上回るパフォーマンスになるとの当社見方への自信を深めた」と語った。

  ロンドン時間午後4時30分現在、イタリア10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.91%と、今年最大の下げとなった。これは6月27日以来の低水準。同年限のポルトガル国債利回りは10bp低下の2.74%。ドイツ10年債利回りは5bp下げ0.30%。
原題:Italian Bonds Lead Europe Rally as Draghi Watches Currency Moves(抜粋)

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