ドラギ総裁:ユーロ上昇は懸念、QE先行きで10月決定目指す

更新日時
  • インフレ率予想を下方修正、ユーロ上昇を反映
  • 2018年以降のQE調整について複数のシナリオを検討

ドラギ総裁

Photographer: Alex Kraus/Bloomberg

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、ユーロ上昇を注視していると言明し、債券購入プログラムの先行きについて10月に決定する見込みだと明らかにした。

  総裁は政策決定後の記者会見で「最近のユーロのボラティリティーは不透明感の源となっており、中期的な物価安定の見通しに影響を及ぼし得るという点で監視する必要がある」と述べた。

  QEに関する決定は「数が多く複雑であり、当然ながら今後数週間または数カ月に顕在化し得るリスクも考慮する。従って決定の日付を特定するのは慎重ではない。恐らく、決定の大きな部分は10月に下されるだろう」と語った。

  ユーロはドラギ総裁の会見中に上昇し、一時前日比1.2%高となり1ユーロ=1.20ドルを超えた。

  ユーロ上昇を反映し、ECBはインフレ見通しを下方修正した。一方、ドラギ総裁は成長が引き続き堅調だと指摘。板挟みな状況は債券購入プログラムの先行きを巡る議論が始まる中で政策担当者が難しい課題に直面していることを浮き彫りにする。

  ECBの最新のスタッフ予測では、2018年のインフレ率は1.2%、19年は1.5%と見積もられている。ECBが目安とする2%弱を大きく下回る。

  それでも、物価動向がいずれ成長加速の期待と一致していくとの楽観を政策委員らは「幅広く共有している」と総裁は述べた。

  「ユーロ圏の金融環境が引き締まったことに疑問の余地はないが、金融以外の企業にとって総じて追い風の状態は維持している。景気拡大は2017年上期に予想以上に加速し、引き続き堅調で、国境と業種を越えて広がっている」と続けた。

  QEに関する議論は「極めて初期的なものだった」とし、政策委員会は買い入れのペースと期間に関連する「さまざまなシナリオ」の利点と欠点を評価したと説明。決定を下す前にECBの複数の専門委員会による作業結果を見極めたいと語った。

  債券購入で買い入れ資産の比率変更については協議せず、購入対象の債券が枯渇するリスクについてもあまり議論しなかったという。総裁はその理由を、債券不足の問題にはこれまでのところ一貫してうまく対処してきたからだと説明した。

  金利は長期にわたり低水準にとどまるとのガイダンスも繰り返し、資産購入終了前の利上げが可能かどうかの議論はしなかったと述べた。

原題:Draghi Says Euro a Concern as ECB Targets October Decision on QE(抜粋)

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