「小池新党」年内結成に動き加速、二大政党制目指す-若狭氏

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  • 「ちゃんとした野党」で与党と対峙、民進と手を組むことあり得ない
  • 「しがらみ政治からの脱却」軸に、女性議員大幅増を目指す

東京都の小池百合子知事に近い若狭勝衆院議員は野党が弱体化した政治状況が続けば「日本は衰退の一途をたどる」として、年内の新党結成に向けた動きを加速させている。「遅くとも12月上旬まで」の結党を目指しているという。6日、ブルームバーグのインタビューで語った。

  若狭氏は、新党は政権交代可能な二大政党制を目指すもので、自民党の補完勢力との位置付けではないと話す。小池知事とは2日夜に都内で会談し、新党は理念として「しがらみ政治からの脱却」を掲げることなど政治的な志を共有することを確認した。

小池知事の当選を隣で祝う若狭氏(中央、2016年7月)

Photographer: Yuya Shino/Bloomberg

  野党第1党の民進党は、イデオロギー的に右の人と左の人が混在しているので一体感がなく、国民にとって分かりにくいと指摘。「対立軸としてちゃんとした野党がいないと駄目だ」と強調した。今のままでは「手を組むことはあり得ない」とも語った。

  若狭氏は東京都出身の60歳。東京地検特捜部副部長などを務めた。2014年の衆院選で自民党公認で出馬し初当選。16年の都知事選では党の推薦候補ではなく小池氏を応援し、その後離党した。小池氏が新党の代表になることについては「二足のわらじを履くのは難しい」と否定したが、2日の会談では今後互いの政治塾の活動などを通じて連携を強化することで一致したという。
  
  中央大学のスティーブン・リード教授は「新党がうまくいくかどうかは、民進党の状況にかかっている」と指摘する。若狭氏は多くの新人を選挙で当選させるよりも、民進党からの離党者や現状に不満を抱く無所属議員らを集めることで、メンバーを確保することになるだろうとも語った。

政治塾

  8月に自身が代表を務める政治団体「日本ファーストの会」を設立。9月16日には新たな政治塾「輝照塾」を開講させ、初回の講師として小池氏も立ち会う予定だ。

  政治塾には全国から600人を超える応募があり、書類審査で約300人に絞り込んだという。うち3分の1は女性で、元国会議員や現職の地方議員も含まれている。今後面接を経て最終的には200人ほどを塾生とする考えだ。

  応募者には、憲法改正や原発再稼働など主な政策課題について約50項目のアンケートを実施している。若狭氏は審議のスピード化や大幅なコスト削減につながるとして、衆参両院を統合する「一院制」に移行するための改憲が必要との考えで、書類審査の通過者には憲法改正そのものに反対という人はいないという。

  塾生は「その意味では同じ枠内にあると思う」と述べ、新党からの次期衆院選への出馬を視野に、基本的な政治信条が近い人材を集める方針を示した。

女性議員

  7月の都議会議員選挙では、小池氏が率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝し、最大会派となった。際立ったのは女性議員の割合の高さで、追加公認を含めて当選した55人のうち3割を占めた。一方、改選前に第1党だった自民党は大きく議席を減らした。

  若狭氏は、国会でも女性議員を増やす必要があるとして、新党の衆院選候補者についても女性の割合を高めたい考えだ。自民党など既存の政党は、現職の男性議員を女性の新人に差し替えるのは「まず不可能」であるとした。目標としては、全議員の半数を女性にしたいという。現在、衆院の女性議員の割合は1割弱、参院で2割にとどまっている。

国会議員との連携

  新党結成に向けては、民進党を離党した細野豪志元環境相らと協議を重ね、連携の可能性を探っている。若狭氏は細野氏のほか、民進党を除籍処分となった長島昭久元防衛副大臣や無所属の松沢成文参院議員らが新党に参加する可能性を示唆したほか、他にも約20人の国会議員と個別に会談していることを明らかにした。

  東京地検特捜部時代、若狭氏は自民党旧橋本派(現在の額賀派)の関係者らが起訴された日歯連のヤミ献金事件などの捜査に関わった経験を持つ。

  加計学園の獣医学部新設をめぐる問題は「しがらみ政治の一端が出た」ものであると指摘した上で、問題への自民党の対応には「がくぜんとした」と話した。国会議員となった当初は自民党議員として内部からの改革に意欲を持っていたというが、「中から変えようとしてもやっぱり壁が厚かった」と語った。

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