9月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、FRB理事の利上げ消極発言が響く-108円台

  5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落、一週間ぶり安値を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事の発言が利上げ期待に冷や水を浴びせる格好となったほか、朝鮮半島を巡って高い緊張状態が続いていることが背景にある。またハリケーン「イルマ」が勢力を強めていることもドルには重しとなった。ドルは午後にはやや下げを縮めた。

  ドルは主要10通貨の大半に対して値下がり。米10年債利回りが今年の最低水準を更新したこともドル売りに拍車をかけた。円は米国株の下落にも支えられた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%安。ドルは対円で0.8%下げて1ドル=108円81銭。対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=1.1914ドル。

  ブレイナード理事はこの日の講演で、「インフレ率が当局の目標達成に向けた軌道にあるとわれわれが確信できるまで、追加の引き締めには慎重になるべきだというのが私の見解だ」と述べた。

  この日はトランプ大統領が「米国の高度に洗練された軍装備品を、日本と韓国が大幅に引き上げた規模で購入することを認める」とツイート。このツイートも手掛かりに円は上昇した。

  みずほ銀行の機関投資家向け外為責任者ニール・ジョーンズ氏は、朝鮮半島を巡って緊張が高まる状況では円の上昇は典型的な動きではある一方、日本国内の企業は利回り追求や独自の安全逃避といった観点から外国資産に目を向けている可能性があると指摘。ユーロやオーストラリア・ドル、カナダ・ドルがそうした動きの恩恵を受ける可能性があると述べた。

  ユーロは対ドルで午前中に1ユーロ=1.1941ドルとこの日の高値を付けた。欧州時間帯には1.1868ドルに下げる場面もあったが、反転した。

欧州時間の取引

  欧州時間のドルは上げ下げを繰り返す展開。当初はショートポジション解消による下支えがあったが、その動きが弱まった。このほか、中央銀行の政策決定会合が週内に予定される中で主要通貨のポジション調整の動きが広がった。

  ユーロは、アジア時間の安値である1.1890ドルを割り込んだことからストップロスの売りが膨らみ、1.1868ドルの安値を付けた。その後は、ドイツの購買担当者指数(PMI)が予想を上回ったことがユーロを支えた。

  また聯合ニュースが、北朝鮮は米国の圧力が続く場合はさらなる行動を取ると警告したと報じた後、ユーロは1.1900ドル台に上昇した。  
原題:Dollar Drops to Lowest in a Week After Brainard Urges Caution(抜粋)
原題:USD/JPY Touches New Low 108.65 as Yen Rises vs Most G-10 Peers(抜粋)
原題:Fed’s Brainard Says Caution Warranted on Further Tightening (1)(抜粋)
原題:Dollar Pressured Amid Rebalancing Before U.S. Data, Fed Speakers(抜粋)

◎米国株:下落、北朝鮮情勢やハリケーン「イルマ」接近を警戒

  5日の米国株式相場は下落。北朝鮮情勢を巡る緊張の高まりや、米国本土上陸の恐れがあるハリケーン「イルマ」への警戒が重しとなった。

  S&P500種株価指数は前営業日比0.8%下げて2457.85。8月17日以来の大幅安で、7営業日ぶりに下落した。ダウ工業株30種平均は234.25ドル(1.1%)安の21753.31ドルだった。

  レーバーデーの祝日で前日は休場となっていた米株式市場は、連休中に米朝間の緊張が再燃したことをなどを手掛かりに安く寄り付き、その後下げ幅を拡大した。イルマはカリブ海に接近するのに伴い5段階で最強の「カテゴリー5」に勢力を強め、米フロリダ州は非常事態を宣言した。
  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は12.23に急上昇。一時は38.8%上昇し14.06をつけた。VIXが一日で30%余り上昇するのは今年4回目となる。

  S&P500種業種別11指数では、金融が2.2%安と最も下げた。一方、ニューヨーク原油先物相場の大幅高を背景に、エネルギーは上昇した。

  北朝鮮関連では、日韓による米国からの武器購入規模の大幅な引き上げをトランプ米大統領が容認したことや、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の可能性に向けて準備しているとの韓国紙アジア経済の報道が材料視された。

  今週は主要中央銀行の政策判断、金融当局者の発言や経済指標の発表が数多く予定されており、そこから世界経済の先行きに関する手掛かりが得られる可能性がある。
原題:Stocks Fall, Bonds Rally Amid Korea, Irma Threats: Markets Wrap(抜粋)
U.S. Equities Open Lower Amid North Korea Tension as Banks Drop(抜粋)
Hurricane Threat Grows for Florida as Irma Gains Strength (1)(抜粋)
Jarring Wakeups Getting Old as VIX Posts Fourth 30% Move of Year(抜粋)

◎米国債:上昇、北朝鮮情勢に反応-ハリケーン「イルマ」も警戒

  5日の米国債は朝方から上昇。北朝鮮を巡る週末の緊迫した情勢に対し投資家は祝日明けのこの日、初めて反応した。

  ハリケーン「イルマ」がカリブ海に接近するのに伴い5段階で最強の「カテゴリー5」に勢力を強めたことを受け、米フロリダ州はハリケーン襲撃の可能性を踏まえ非常事態を宣言した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.06%。2年債利回りは5bp下げて1.29%。

  投資適格級の15社から計31本、計223億ドル相当の起債が明らかになったが、米国債の逃避買いは堅調だった。イールドカーブはブルフラット化した。

  投資家はまた米債務上限も懸念している。この日午後に行われた4週間物の米財務省短期証券(Tビル)入札は最高落札利回りが2008年以来の高水準となった。

  北朝鮮が4日、平壌の研究所で製造されたICBM級のミサイルの移動を開始したと、韓国紙アジア経済が匿名の情報当局者を引用して伝えた。同紙は情報源が韓国の当局者かどうかは明らかにしていない。北朝鮮が9月9日の建国記念日前にICBMを発射する可能性が高いという。
原題:Treasuries Rally as North Korea Risks Resume, IG Slate Tops $20b(抜粋)
N. Korea Moves ICBM for Possible Launch Before Sat.: Daily (1)(抜粋)

◎NY金:上昇、2016年9月以来の高値-FOMCは慎重姿勢との見方

  5日のニューヨーク金相場は上昇し、約11カ月ぶりの高値を付けた。米金融政策当局者から利上げを急いでいない姿勢が示唆される中、ドルが下落し、米国債利回りは低下した。

  ニューヨーク時間午後2時31分現在、金スポット相場は前営業日0.5%高の1オンス=1340.37ドル。一時は1341.91ドルと、昨年9月以来の高値。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は1.1%高の1344.50ドルで終了。一時は1347.20ドルと、中心限月としては昨年9月以来の高値。
 
  ブレイナードFRB理事は5日、物価上昇圧力の弱さを示す指標が続いていることを受け、追加利上げに動く前に基調インフレに注意を払う必要があるとの見解を示した。ブレイナード理事の発言は「金が昨夜の下落から上昇するのを支援した」-BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の金属トレーディング責任者タイ・ウォン氏。

  銀スポットは0.1%高の17.8834ドル。プラチナは0.2%安の1005.75ド。パラジウムは1.5%安の962.77ドル。
原題:PRECIOUS: Gold Rallies to 11-Month High as Fed Seen Cautious(抜粋)

◎NY原油:大幅高、「ハービー」後の製油所再開で需要拡大

  5日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅高。約3週間ぶりの高値となった。ハリケーン「ハービー」の影響で停止していた主要な製油所やパイプラインが操業を再開したため、需要が膨らんだ。

  USバンク・ウェルス・マネジメントの投資担当シニアストラテジスト、ロブ・ヘイワース氏(シアトル在勤)は電話インタビューで、市場は「製油所が操業を再開するのを待っていた。需要は再び強まり始める可能性がある」と指摘。「投機筋はまさにこの時を待っていた」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物10月限は前営業日比1.37ドル(2.9%)高の1バレル=48.66ドルで終了。一時は3.6%高と、日中の取引としては7月25日以来の大幅高となった。ロンドンICEの北海ブレント11月限は1.04ドル上げて53.38ドル。NYMEXガソリン10月限は4.88セント下げて1ガロン=1.6991ドル。前日はレーバーデーの祝日だったため、決済はこの日に持ち越された。
原題:Oil Jumps as Post-Harvey Refinery Revivals Trigger Demand Boost(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-銀行株に売り、自動車株は上昇

  5日の欧州株式相場はほぼ変わらず。銀行株が4カ月ぶり安値まで売り込まれた一方、自動車株が買われた。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%安の373.71で終了。銀行は1.3%安と、業種別指数の中で最もきつい値下がり。保険株が0.9%下げた一方、自動車株は0.9%上げた。構成銘柄のうち上昇したのは266銘柄で、下落したのは321銘柄。

  域内の主要指数では、英FTSE100指数が0.5%下落。フランスのCAC40指数は0.3%、イタリアのFTSE・MIB指数は0.2%それぞれ下げた。ドイツのDAX指数は0.2%上昇、スイスのSMI指数は0.1%上げた。
原題:Europe Stocks Little Changed as Bank Drop Offsets Carmaker Jump(抜粋)

◎欧州債:中核国債の利回り曲線スティープ化-リスクオフの動き強まる

  5日の欧州債市場では中核国の国債利回り曲線がスティープ化した。債券発行に絡んだポジション調整が見られた。

  スワップ債の相次ぐ発行がドイツ国債を支えたほか、イングランド銀行による15年債の買い戻しを支援材料に期限の長い英国債が買われた。

  米国の取引再開でリスクオフの動きが再び強まり、米国債が買われ、ユーロ圏中核国債の利回りはブルフラット化した。

  オーストリア国債の利回り曲線もスティープ化。フランスやスペインなどが今週実施する大規模な入札が注目されており、これがスティープ化を後押し。
原題:Bunds Rally as Issuance, USTs and Gilts Lift; End-of-Day Curves(抜粋)

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