北朝鮮の脅威、韓国経済に影響の兆し-地政学的緊張は長引くとの見方

Pyongyang's Threats Start to Show in South Korea's Economy

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

韓国の投資家は戦争の脅威が存在しないかのように長年振る舞ってきたが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がミサイル試射や核実験で世界に揺さぶりをかける中、今回は経済への影響の兆候が限定的ながら見え始めつつある。

  韓国政府は今年の国内総生産(GDP)成長率見通しを3%に据え置いているものの、観光業への影響は明らかで、上昇していた消費者の信頼感指数も今後低下が見込まれ、政府当局者は地政学的緊張がすぐ消えることはないと警告。金東ヨン(キム・ドンヨン)企画財政相は4日、北朝鮮問題の「根本的な解決」は難しいとして、金融市場への影響は短期的なものにとどまらず韓国経済にマイナスの影響を与えかねないとの認識を示した。

  韓国観光公社によると、最新分の7月の統計では韓国を訪れた外国人観光客は40%減少、地政学的緊張の高まりもその一因となっている。最大の落ち込みは中国からの観光客で、同国政府が韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に反発しパック旅行販売を禁止したことが影響した。

  韓国の信用格付けは1990年代後半のアジア通貨危機後は着実に改善してきており、大手3社による現在の格付けは日本を上回っている。米S&Pグローバル・レーティングは4日、現時点で変更の予定はなく、見通しは引き続き「安定的」とした。ただ、ソブリン格付け担当シニアディレクターのキム・エンタン氏は、ブルームバーグへの電子メールで「ソブリンのクレジットメトリクスへの下押し圧力は高まるとみている」と指摘した。

  北朝鮮の度重なるミサイル試射や核実験にもかかわらず、今年は海外勢による韓国証券買いが着実に増えてきた。3日の北朝鮮の核実験後も出口に急ぐ兆候は見られていない。

  ノムラ・インターナショナル(香港)のシニアエコノミスト、クォン・ヨンソン氏は、現時点で予想され得ることは、韓国政府が外貨準備高を一段と拡充し、市場のボラティリティーを抑制し潜在的なショックからの防御を図る「自己保険」の手段を用意することだと語った。

原題:Pyongyang’s Threats Start to Show in South Korea’s Economy (1) (抜粋)

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