TOPIXが約3カ月ぶり安値、北朝鮮や需給懸念-小型株下げきつい

更新日時
  • 北朝鮮がICBM級ミサイルの移動開始の報道、為替は円高方向に
  • 東証1部33業種中、32業種が下落、マザーズ指数は一時5%安

5日の東京株式相場は続落、TOPIXは約3カ月ぶりの安値を付けた。北朝鮮情勢や為替の円高進行が嫌気され、リスク資産圧縮の流れが強まり、日本郵政株の売り出しによる株式需給の悪化も投資家心理を冷やした。東証1部33業種は電機や情報・通信、海運など32業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比12.84ポイント(0.8%)安の1590.71、日経平均株価は122円44銭(0.6%)安の1万9385円81銭。TOPIXは6月15日以来の安値水準。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「北朝鮮がICBM級のミサイルの移動を開始したと伝えられ、地理的に近い日本は地政学リスクの緊迫度がさらに増したと受け止められた」と言う。武力衝突に至るとはみていないが、「可能性はゼロではなく、海外投資家中心に円資産のリスク許容度を下げておこうとの判断になりやすい」とも指摘した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの日本株は、為替の落ち着きから朝方こそ反発して始まったが、現在の株式市場を巡る不透明要因の多さを象徴し、早々にマイナスに転換。午後にかけてはじりじりと下値を探る展開となった。

  北朝鮮が4日、平壌の研究所で製造された大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイルの移動を開始したと韓国紙アジア経済が日本時間午前に報道。9日の北朝鮮建国記念日前にICBMを発射する可能性が高いという。きょうの為替市場では報道後に円が買われ、ドル・円は一時1ドル=109円20銭台と4日の日本株終値時点109円78銭からドル安・円高に振れた。

  国内の株式需給に対する警戒も投資家心理を悪化させた。日本郵政は11日にも、政府保有株式の売り出しを決議し、発表する。規模は最大1.4兆円となる見通し。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「北朝鮮リスクに米政治リスク、為替市場に影響を与える米欧金融政策の不透明感という『三重苦』に、日本郵政株の政府保有株売り出しによる需給悪化懸念が加わり、上値での売り圧力が非常に強くなっている」と話した。

  東証1部では、値下がり銘柄数が全体の88%と前日の90%に続き高水準。規模別では特に小型株の下げが目立ち、大型株指数の0.6%安、中型株指数の0.9%安に対し、小型株指数は1.6%安となった。大型株に対しアウトパフォームしていた新興市場の下げもきつく、マザーズ指数は4.7%安、一時は5%下げ、米大統領選直後の昨年11月9日以来、10カ月ぶりの下落率を記録した。

  「東証1部売買代金が1兆数千億円の中で、日本郵政の想定売却金額の1兆4000億円は大きい。このところの値下がり銘柄の多さは投資家が早めに資金手当てに動き出している可能性がある」と、岡三オンライン証の伊藤氏は指摘する。日経平均は当面、投資家の長期売買コストである200日移動平均線と中期コストの75日線とのレンジで推移すると同氏は予想。ただし、「国内需給悪化も加わり『四重苦』になると、200日線を明確に割り込む警戒感が強まる」と言う。

  東証1部33業種は海運、その他製品、倉庫・運輸、証券・商品先物取引、不動産、化学など32業種が下落。輸送用機器の1業種のみ上昇。売買代金上位では郵政のほか、上期営業利益が一部市場予想に届かなかったピジョンが売られ、任天堂やKLab、HOYAも安い。半面、野村証券が業績予想を増額した住友金属鉱山は高く、出光興産やIHIも堅調。

  • 東証1部売買高は16億4026万株、売買代金は1兆9540億円
  • 値上がり銘柄数は181、値下がりは1786

    中長期の移動平均線に挟まれる日経平均株価

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