核兵器使用危険、キューバ危機後で最も高い-核脅威イニシアチブ代表

  • モニズ前米エネルギー長官は中国との協力強化を訴え
  • モニズ氏はイタリアのチェルノッビオでブルームバーグに語った

原子物理学者で「核脅威イニシアチブ」の共同責任者を務めるモニズ前米エネルギー長官は、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載可能な水爆の実験に成功したと発表したことについて、世界で核兵器が使用される危険が過去「非常に長い期間」、恐らくは50年余りで最も高まったとの認識を示した。

  モニズ氏はイタリアのチェルノッビオで行われたインタビューで、北朝鮮への経済制裁の発動に反対し、中国との協力強化に一層の努力を傾けるべきだと発言。「世界のどこかで核兵器が使用されるリスクは、恐らくはキューバ・ミサイル危機(1962年)までさかのぼる過去非常に長い期間で最も高いと思う」と語った。

  同氏は「中国を含む国際社会は最近、追加の経済制裁発動という対応を行ったが、制裁で問題が解決されたことは決してないと個人的に確信している。イランについては交渉のテーブルに当事者を向かわせたという意味で一定の成果が得られたと言えよう。しかし、経済制裁で問題は解決できないだろう」と主張した。

  モニズ氏はまた、「朝鮮半島、韓国はもとより日本との関係で、中国の国家安全保障上のニーズが一連の議論で十分検討されているとは思えない。北朝鮮と韓国、中国、日本の全体的な安全保障条件の在り方が実際の問題であるにもかかわらず、北朝鮮を巡る議論の対象はこれまで、核兵器を中心とするあまりに狭い範囲に限定されてきた」と述べ、中国との協力関係の方針転換を強く訴えた。

  さらに北朝鮮の実験が、長距離ミサイルへの搭載を可能とする核兵器の軍用化といった問題で進展を意味するかどうかが重要だとした上で、「統合システム全体の完成にはしばらく時間がかかるというのがなお一般的な見解だ。私が知る限りでは、長距離弾道ミサイル用の大気圏再突入核弾頭の開発に現段階で成功した証拠は存在しない」と分析した。
  

モニズ前米エネルギー長官

写真家:Andrew Harrer / Bloomberg

原題:Risk of Nuclear Arms Use Highest Since Cuban Crisis, Moniz Says(抜粋)

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