日本株4日ぶり反落、北朝鮮核実験で円高、米先物安警戒-ほぼ全面安

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  • 電機や通信、銀行、医薬品など東証1部銘柄の9割下げる
  • 8月の米雇用統計も市場予想以下、ドル・円は一時109円20銭台

Employees work on the trading floor at the Tokyo Stock Exchange (TSE).

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

4日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。北朝鮮の核実験実施で東アジアの地政学リスクが高まり、為替市場での円高推移や米国株先物の下落を嫌気する売り圧力が強まった。電機や情報・通信、銀行、医薬品株など幅広く下げ、東証1部銘柄の9割が下げるほぼ全面安。

  TOPIXの終値は前週末比16.04ポイント(1%)安の1603.55、日経平均株価は183円22銭(0.9%)安の1万9508円25銭。

  アセットマネジメントOne運用本部の柏原延行調査グループ長は、「緊張は高まるものの、武力衝突にはつながらないというのがマーケットのメーンシナリオ」だったが、今回の核実験で大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載可能な核小型化が完成することになれば、「米国が警告していた『越えてはいけない一線』となりかねず、ミサイル発射とは重さが違う」と話した。

薄暮の東証外観

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、ICBMに搭載可能でかつてないほどの威力を備えた水爆の実験に成功した、と発表。トランプ米政権になってからでは、初の核実験実施だった。

  トランプ米大統領は3日、北朝鮮とビジネスを行うあらゆる国との貿易を停止し、経済制裁を強化する考えを示した。マティス国防長官は、米国には多くの軍事的選択肢があると発言。日本の菅義偉官房長官は同日、中国、ロシアから北朝鮮に原油、石油製品を供給していると述べた。

  4日のドル・円相場は、早朝に一時1ドル=109円20銭台と4営業日ぶりの円高水準に振れた。その後はおおむね109円台後半で推移。円高の勢いはやや沈静化したが、1日の日本株終値時点110円10銭に比べ終始ドル安・円高水準だった。大和証券の高橋和宏株式ストラテジストは、トランプ大統領が発言した経済制裁方針については不透明な部分が多く、株価は消化しづらいとあって、日本株はむしろ為替動向を注視していると指摘。「110円割れが続けば、企業業績にとってマイナス要因になる」との認識を示した。

  4日の米国株はレーバーデーで休場。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物はアジア時間4日に一時0.6%安まで下落した。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「建国記念日まで日にちがある中、北朝鮮が核実験を行ったことで9日に向けさらに別の行動を起こすのではないか、と警戒せざるを得ない」と言う。「米国が話し合いで核保有を認めるのか、将来的にさらに状況が緊迫し、軍事行動に出るのか。混迷のステージが一つ進んだ」とみている。

  もっとも、良好なファンダメンタルズを背景に、一方的に株価指数の下値が大きくなると予想する向きは少ない。米供給管理協会(ISM)が1日に発表した8月の製造業総合景況指数は6年ぶりの高水準。大和証の高橋氏は、「雇用統計は鈍かったが、消費やサービスに先行して景気サイクルを決める製造業関係の指標は予想を上回るものが続いている。米景気は一時期のように警戒感が高まる状況から脱するなど順調」と指摘した。8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比15万6000人増。エコノミスト予想は18万人増だった。

  東証1部33業種はガラス・土石製品や繊維、海運、鉄鋼、情報・通信、医薬品、サービスなど30業種が下落。空運、石油・石炭製品、保険の3業種は上昇。売買代金上位では、政府が9月中にも保有株1兆円超を売却すると共同通信が報じた日本郵政が安く、住友金属鉱山やルネサスエレクトロニクスも下げた。半面、英子会社キャノピアスを今年度中に売却するSOMPOホールディングス、クレディ・スイス証券が投資判断を上げた日野自動車、防衛関連の石川製作所は高い。

  • 東証1部の売買高は15億9579万株、売買代金は1兆7369億円、米国株休場の影響もあり、代金は8月25日以来、約1週間ぶりの低水準
  • 値上がり銘柄数は153、値下がりは1824、全体の90%が値下がりした
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