三井不:物流施設で数年内に海外投資、米西海岸や東南アジア検討

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  • サンフランシスコやシンガポールなど検討中、1棟50-100億円程度
  • 三井不系の上場物流リートも海外物件の投資も視野

三井不動産は今後2、3年以内をめどに海外での物流施設の開発・投資を検討している。国内物流施設で総投資額が約4000億円規模に積み上がった実績を基に、海外市場に初めて参入する。人口増やネット通販の伸びが見込まれる米国や東南アジアで物流施設の需要が拡大するとみている。

  三井不動産ロジスティクス本部の三木孝行常務執行役員は、「海外を積極的に検討していきたい」と述べた。同社の住宅、商業施設など事業拠点がある米国や東南アジアを念頭に調査を実施。サンフランシスコやシアトルのほか、シンガポール、バンコク、マレーシア、台湾なども可能性があるという。投資額は未定だが、海外での物流施設1棟当たりの投資額は相場として50億-100億円程度。現地企業をパートナーとして2、3年以内に実現したい考えだ。

アマゾンの発送センター

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  パソコンやスマホの普及で電子商取引(EC)は急拡大。ニッセイアセットマネジメントのリポートによると、2016年の世界のEC市場は前年比24%増の約211兆円で、20年には約447兆円に倍増が見込まれている。このため、日本の住宅・不動産業界では海外物流施設への参入が相次ぎ、三菱地所グループが米国で約420億円規模の物流施設開発を開始したほか、大和ハウス工業はインドネシアなどで大型倉庫の開発を進めている。

  物流施設の海外展開について、三木氏は「人口が伸び、Eコマースも伸びている」とし、特に世界2位のEC市場規模の米国については「ネットの売り上げがまだまだ伸びる見通しで物流倉庫のニーズが高まる」と語った。東南アジアではクアラルンプールや台湾などで商業施設を手掛けており、商品配送に関わる倉庫を開発することでスムーズな物流活動につながる。

  物流セクターは世界で注目の投資分野の一つにもなっている。米総合不動産サービスのJLLによると、米国の物流施設への外国人投資家の割合は16年の5%から17年上半期は10%に上昇。第2四半期(4-6月)の米物流施設の平均空室率は過去最低の5.2%だった。

リートが投資も

  オフィスビルや住宅、商業施設の開発を主力としていた三井不動産が物流施設開発を開始したのは12年。三木氏は「当初7、8人でスタートしたが、現在はリートも含めて約60人規模の態勢になった」と語った。アマゾン、楽天、日立物流などをテナントとして開発・運営する施設数は竣工予定も含め28棟、累計投資額は約4000億円に達した。

  16年8月に上場した物流施設特化型のJリート、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人について、三木氏は「海外物件の取得も可能」と述べ、今後は三井不の開発物件をリートが投資する仕組みも考慮しながら海外事業の拡大を目指す考えを示した。

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