長期金利がマイナス圏に突入、昨年11月以来-短中期の需給逼迫が波及

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  • 新発10年債利回りマイナス0.005%に低下
  • 10年債はキャッシュつぶしになっているのが今の状況-岡三証

Signage for the Bank of Japan (BOJ)

Photographer: Kiyoshi Ota

長期金利が約9カ月ぶりにマイナス圏に突入した。足元の中短期ゾーンの需給逼迫(ひっぱく)を背景にした金利低下圧力が長期ゾーンにも波及している。

  1日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年国債利回りはマイナス0.005%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を0.5ベーシスポイント(bp)下回った。マイナス金利を付けたのは2016年11月16日以来。今週は北朝鮮が日本上空を通過するミサイルを発射したことからリスク回避の動きが一段と高まり、4カ月ぶりにゼロ%まで下げていた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「来週に10年債入札を控えているが、若干でもプラス金利なら良いという感じでみている人たちが買っている部分もある。10年債はキャッシュつぶしになっているのが今の状況」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比3銭高の151円15銭で取引を開始。高値警戒感などから151円10銭まで下落する場面もあったが、午後に入って持ち直し、水準を切り上げると、一時は151円23銭まで上昇。結局は10銭高の151円22銭で引けた。

日銀オペ

  日銀はこの日の金融調節で、残存3年超5年以下の国債買い入れオペを前回から300億円少ない3000億円に減額。7月12日に3000億円から3300億円へ増額する前の水準に戻した。同ゾーンでの減額は5月1日以来。一方、同時に通知された残存1年超3年以下は2800億円、5年超10年以下は4100億円と、それぞれ前回から据え置かれた。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  しんきん証券営業企画部の高井行夫金融市場アナリストは、「きょうのオペでは、5ー10年の減額予想も一部にあったようで、据え置かれたことで買い安心感があった」と指摘。また、「3ー5年が減額されたが応札が少なく無難な結果となり、5-10年もどちらかというとしっかりだった」とし、「需給的にはここもと短いところを中心にかなり引き締まっている」と話した。

  来週は財務省が5日に10年利付国債入札を実施する。発行予定額は2兆3000億円程度。7日には30年債の入札が控えている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、「日銀の買い入れがかなり限界になっている中で、9月の現物債需給がもともと強まりやすい季節に入ってきている」と指摘。「買い入れを減らさないと、どんどん下に行くリスクがある。マイナス0.005%に下がったからといってゼロ%程度なので、これ以上絶対下がってはいけないということではないが、状況をみながらではないか」と言う。

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