米、紙幣のデザイン変更巡り新たな人種問題論争の可能性

  • タブマンを表側に描くとしたオバマ前政権の計画、優先事項ではない
  • ムニューシン氏が人種問題の歴史巡る論争に巻き込まれる可能性も

20ドル紙幣

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

ムニューシン米財務長官は、20ドル紙幣のデザインを変更して奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの肖像を表側に描くとしたオバマ前政権の計画について、踏襲するか明言を避けた。これにより同長官は、米国の人種問題の歴史を巡る論争に巻き込まれる可能性が出てきた。

  ムニューシン氏は8月31日、CNBCとのインタビューで、前任者のルー前財務長官の決定を支持するか問われ、「最終的にこの問題を検討するつもりだ。われわれが現在集中的に取り組んでいるものではない」と答えた。デザイン刷新の検討で最も重視するのは偽造防止だとも語った。

  現行の20ドル札の表側のデザインは第7代大統領アンドルー・ジャクソン。黒人奴隷だったタブマンは、女性としてもマイノリティーとしても初めて近代以降の米国紙幣に描かれることになっていた。ムニューシン氏は「われわれには現時点で焦点を絞るべき多くのもっと重要な課題がある」と指摘した。

  奴隷所有者だったジャクソンを20ドル札の裏側に移してホワイトハウスと共に描き、代わりにタブマンを表側に登場させる計画を取りやめる決定が下されれば、批判を招くのは必至。それはさらに、バージニア州シャーロッツビルでの暴力事件を受けたトランプ大統領の発言を巡る論争によって増幅される公算が大きい。

  トランプ氏はポピュリスト大統領だったジャクソンのファンとして知られ、ホワイトハウスの大統領執務室にはその肖像を飾っている。2016年大統領選の期間中、トランプ氏は20ドル札のデザイン変更に向けた動きについて、「純然たるポリティカルコレクトネス(政治的正しさ)」と話していた。

原題:Mnuchin Says Putting Tubman on $20 Bill a Matter for Review(抜粋)

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