【債券週間展望】長期金利はマイナス幅拡大か、需給逼迫感強いとの声

  • 急に需給締まっている、どちらかというとマイナス方向-しんきん証
  • 10年債はキャッシュつぶしになっているのが今の状況-岡三証

9月第1週(4日-8日)の債券市場では、長期金利がマイナス幅を拡大すると予想されている。米国の利上げ観測が低インフレ懸念などを背景に後退していることに加えて、中短期ゾーンの需給逼迫(ひっぱく)が金利全体の押し下げ要因になるとの見方がある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは1日にマイナス0.005%と、昨年11月16日以来となるマイナス圏に突入した。北朝鮮のミサイル発射によるリスク回避の買いで4カ月ぶりにゼロ%まで下げていたが、3カ月物の国庫短期証券入札や2年国債入札がともに強い結果となり、中短期債の需給逼迫の強まりが、長期ゾーンへの買い圧力となった。

  しんきん証券営業企画部の高井行夫金融市場アナリストは、「米利上げに関しては弱めの物価指標や洪水被害などで、12月に強行する機運なく期待が遠のいている感があり、国内債市場でも買っておかないとというイメージになってきている」と指摘。「国内企業の中間決算もあり、急に需給が締まる中で、入札は警戒されると思うが、どちらかというとマイナス方向ではある」とみる。

  財務省は5日に10年利付国債の入札を実施する。発行予定額は2兆3000億円程度となる。7日には30年利付国債の入札が予定されている。発行予定額は8000億円程度。それぞれ償還日が前回債よりも延びて新発債の発行となる見通し。

  一方、日銀が先月末に発表した国債買い入れのオペ運営方針によると、4日には残存期間10年超、6日には5年超10年以下、8日には1年超5年以下と10年超を対象に買い入れが実施される予定になっている。

市場関係者の見方

*T
◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • 10年入札は新発債発行でそれなりの需要あると考えると10年金利がマイナス圏はおかしくない
  • 9月は償還資金も入るので20年セクターに再び注目したい
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.02%~0.02%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 10年債はキャッシュつぶしになっているのが今の状況、マイナスで定着してくるようなことでもあれば日銀はオペをもう少し減額するかもしれない
  • 30年入札、もともと割安感がある年限で生保が積極的に買わないので利回り下がらないが、0.8%台なら無難にこなしそうだ
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.02~0.03%

  
◎しんきん証券営業企画部の高井行夫金融市場アナリスト

  • 需給的にはここもと短いところを中心にかなり引き締まっている、その辺で非常に安心感があるだろう
  • 入札がない日は毎日オペが予定されており、需給は締まりやすい
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.02%~0.04%

*T

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