設備投資は予想下回る、「アニマルスピリットない」-4~6月

更新日時
  • 設備投資額は前年同期比1.5%増の9兆4506億円-予想は7.9%増
  • 全産業の経常利益は同22.6%増の22兆3900億円-前期は26.6%増

財務省が1日発表した法人企業統計によると、4-6月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は前年同期比で3期連続のプラスとなったものの、市場予想を大幅に下回った。売上高や利益は堅調だったが、企業の設備投資への後ろ向きな姿勢が表れた結果となった。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比1.5%増の9兆4506億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は7.9%増)-前期は4.5%増
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同0.6%増(予想は8.2%増)-前期は5.2%増
  • 全産業の売上高は同6.7%増の327兆9184億円-前期は5.6%増
  • 全産業の経常利益は同22.6%増の22兆3900億円-前期は26.6%増

背景

  生産年齢人口が減少を続ける中、機械化により人手不足の解消を模索する動きが見られる。7月の有効求人倍率は1974年2月以来の高水準となる1.52倍を記録し、完全失業率は2.8%だった。4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比1%増(年率4%増)となり、6期連続のプラス成長を記録。内需の堅調さが目立ち、設備投資は前期比2.4%増。

  輸出環境の改善も続いており、生産の増加につながっている。政府は8月の月例経済報告で、「持ち直している」とした輸出の判断を維持。先行きについては「海外景気の緩やかな回復等を背景に、持ち直しが続く」と予測した。足元の為替水準も輸出に追い風。

エコノミストの見方

  • SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、設備投資は盛り上がりを欠いており、状況は「業績との対比において最も鮮明」だと指摘。成長を求める企業のアニマルスピリットの顕在化は「人的投資のみならず、資本投資の分野でも確認できない」と分析した。
  • 第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは発表後のリポートで、人手不足解消のための省力化投資が見込まれ「今回の設備投資減速は一過性と思われる」という見方を示した。ただ、この数年と同様、「期初計画で示唆されたほど投資が実行されない可能性は意識しておきたい」とも指摘した。
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE