日本株3日続伸、米低インフレで流動性期待-自社株買いANA上げる

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  • 7月の米個人消費支出は予想以下、PCE価格指数は前月と同じ
  • 日経平均は25日線を回復、米雇用統計前で戻り売り圧力も

1日の東京株式相場は3日続伸。個人消費支出統計の低調で米国の長期金利が低下する中、過剰流動性の継続期待が投資家心理にプラスに働いた。700億円の自社株買いが好感されたANAホールディングスなど空運株が上げ、倉庫やゴム製品、石油株も高い。

  一方、前日まで日経平均株価が連日で100円以上上げた反動が出やすかったほか、米雇用統計の発表を前に持ち高整理の売りも出て、主要株価指数はマイナス圏で推移する場面もあった。

  TOPIXの終値は前日比2.18ポイント(0.1%)高の1619.59、日経平均株価は45円23銭(0.2%高)の1万9691円47銭。

  アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジストは、「過剰流動性が支える相場で、そこに景気や業績などファンダメンタルズの強さが加わっている」と指摘。ただ、日経平均は直近安値から25日移動平均線まで回復し、「短期的には戻り一巡感がある。さらに上を目指していく目立った買い材料もない」とも話した。

東証プレート

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米商務省が8月31日に発表した7月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加したが、伸び率は市場予想の0.4%増を下回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2%のインフレ目標の基準とするPCE価格指数は、前年比で1.4%上昇と前月と同水準にとどまった。このほか、7月の米中古住宅販売成約指数は前月比0.8%低下と事前予想の0.3%上昇に反した。

  インフレ指標の鈍さから米国の利上げペースは緩やかとの見方が根強い上、北朝鮮問題を巡る懸念が後退する中、前日の米国株はS&P500種株価指数が0.6%高と5日続伸、ナスダック総合指数は1%高で最高値を更新した。

  名実とも9月相場入りしたきょうの日本株は過剰流動性期待と米国株高の流れを受け、日経平均は一時89円高の1万9700円台まで上昇。投資家の短期売買コストである25日移動平均線(1万9692円)を2週ぶりに回復した。東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、「直近の下げが空売りや先物主導だった分、指数は大型株主導で戻りやすい」と言う。

  目先の達成感、1日の米国市場で雇用統計の発表を控える事情もあり、午後前半はTOPIXとともにマイナスに転じる場面もあったが、大引けにかけ為替市場で円が対ドルで弱含むと、プラス圏を維持して終えた。前日の海外市場で一時1ドル=109円80銭台に振れたドル・円は、きょうの東京市場で110円10銭台までドルが戻した。8月の米雇用統計における非農業部門雇用者数の伸びは、市場予想で18万人増が見込まれている。前月は20万9000人増。

  東証1部33業種は倉庫・運輸、ゴム製品、石油・石炭製品、空運、鉱業、金属製品、ガラス・土石製品、鉄鋼など25業種が上昇。情報・通信や小売、電気・ガス、非鉄金属など8業種は下落。空運はANAホールディングスがけん引。メリルリンチ日本証券は700億円が上限で、12年ぶりのANAの自社株買いはポジティブとし、自社株買いと航空機購入を賄う1400億円の社債調達も利払いがなく、キャッシュフローの点で魅力的とした。

  売買代金上位では、FAシステム事業の受注環境は追い風が続くと岡三証券が目標株価を引き上げた三菱電機が高い。パーク24や住友金属鉱山、鹿島も買われた。半面、みずほ証券が目標株価を下げたフジクラのほか、KLab、NTTは安い。

  • 東証1部の売買高は16億3044万株、売買代金は1兆9208億円、代金は3営業日ぶりに2兆円の大台割れ
  • 上昇銘柄数は1222、下落は663
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