8月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル反落、米経済指標が弱く-財務長官発言も売りを誘う

  31日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米物価指標が弱く、住宅関連統計が予想を大きく下回ったため、下げに転じる展開となった。ムニューシン財務長官が「貿易に関しては一段と弱いドルがわれわれにとっては多少好ましい」と発言すると、ドルは下げ足を速めた。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は経済統計発表前に0.4%上昇していたが、ムニューシン長官の発言後に0.2%安となった。カナダの第2四半期成長率がほぼ6年ぶりの高い伸びとなったため、米ドルに対する上昇はカナダ・ドルが主導した。原油相場の上昇もカナダ・ドルの支援材料だった。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.2%下げて1ドル=109円98銭。対ユーロでは0.2%安い1ユーロ=1.1910ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下。

  7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネル ギーを除くコアベースで前年比1.4%上昇と、前月の1.5%上昇から減速した。7月の中古住宅販売成約指数は前月比で0.8%低下。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値では0.3%の上昇が見込まれていた。

  4-6月のカナダ国内総生産(GDP)は前期比年率4.5%増と、市場予想の3.7%増を上回り、約6年ぶりの高い成長率となった。

  モントリオール銀行の外為戦略グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏(ニューヨーク在勤)は電子メールで、ムニューシン長官の税制改革に関するコメントもドル売りを誘ったと指摘。「中立的な税制改革はドルにとってプラスだと市場はみているが、恒久的な減税は無責任でドルにはマイナスと解釈されるだろう」と指摘した。

欧州時間の取引

  ユーロは対ドルで一時0.5%下落した。欧州中央銀行(ECB)当局者がユーロ上昇を懸念しているとのロイター通信の報道が売りを誘った。    

  ドルは対円で110円台を割り込んだ。
原題:Early Dollar Enthusiasm Crumbles After Data, Mnuchin Comments(抜粋)
Canadian Dollar Leads Gains as GDP Beats, Commodities Advance(抜粋)
Dollar Rally Crumbles After Data, Mnuchin Comments: Inside G-10(抜粋)

◎米国株:5日続伸、経済指標を好感-ヘルスケアや素材が高い 

  31日の米国株式相場は続伸。米国と中国経済の底堅さが経済指標であらためて示されたほか、北朝鮮情勢を巡る懸念が後退した。

  S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2471.65と、5営業日続伸。ダウ工業株30種平均は55.67ドル(0.3%)上昇して21948.10ドル。ナスダック総合指数は1%上げて、最高値を更新した。

  CMCマーケッツUKの市場アナリスト、デービッド・マデン氏は「北朝鮮情勢の緊張はなおくすぶっているものの、パニック状態が和らいだことから、株式への投資意欲が復活している」と述べた。

  7月の米個人消費支出(PCE)の伸びは市場予想を下回ったものの、6月分が上方修正された。個人所得の伸びは予想を上回った。市場の焦点は9月1日発表の雇用統計に移っている。

  S&P500種の業種別指数ではヘルスケアや素材が堅調だった。ハリケーン「ハービー」が襲来したテキサス州ヒューストンなどでの復興・復旧の取り組みによって素材株は恩恵を受けるとの見方が広がっている。一方、電気通信サービスや金融は軟調だった。

  個別銘柄ではギリアド・サイエンシズが3.1%高と、ヘルスケア株の上昇を主導した。同社が28日発表した約119億ドル(約1兆3000億円)での同業カイト・ファーマ買収について、ウィリアム・ブレアはこの日、新たな成長につながるとの見方を示した。

  ウェルズ・ファーゴは0.6%安。行員が顧客に無断で開設した口座数が当初の推定を67%上回る見込みだと明らかにした。預金とクレジットカードの口座1億6500万件余りを対象にした外部調査で、未承認で開設されたとみられる口座が新たに140万件見つかった。これにより、無断開設の口座数は合計で約350万件に上るとしている。 

  安倍晋三首相は31日、英国のメイ首相と会談し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強化するため、中国の役割が重要であるとの認識で一致した。終了後の共同記者会見で安倍首相が明らかにした。北朝鮮に対し、国連安全保障理事会で新たな決議の採択へ向けて取り組むことを盛り込んだ共同声明も発表した。
原題:Stocks Gain on Growth Outlook; Dollar Turns Weaker: Markets Wrap(抜粋)
U.S. Stocks Add to Gains as Health-Care, Materials Shares Climb(抜粋)
Gilead’s Kite Acquisition to Renew Growth: William Blair(抜粋)

◎米国債:上昇、財務長官の発言受け利回り差が縮小-10年債2.12%

  31日の米国債相場は上昇。10年債利回りは年初来の低水準に下げた。月末のリバランスの影響で午後には先物の出来高が膨らんだ。

  2年債と30年債の利回り差は縮小。特にムニューシン財務長官による税制改革案や債務上限、ドルについての発言を受けて、イールドカーブのフラット化の動きが強まった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.12%と終値ベースでは年初来低水準。30年債利回りも1bp下げて2.73%。

  2年債と30年債の利回り差は約1.16bp縮小の139.7bp。

  外国為替市場では、ドルが朝方上げていたが、ムニューシン長官が、一段と弱いドルは米国にとって貿易面で「多少好ましい」と発言したことを受けて下げに転じた。そうした中で米国債利回りも低下した。

  この日は月末特有の保有債券のデュレーション(残存期間)拡大の動きも相場上昇に寄与した。

  朝方発表された7月の米個人消費支出(PCE)では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が2%のインフレ目標の基準とするPCE価格指数は前年比で1.4%上昇と、前月と同水準で推移した。
原題:Treasury Watch: Today’s Highlights in Financing and Politics(抜粋)
原題:Stocks Gain on Growth Outlook; Dollar Turns Weaker: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:反発、月間でも上昇-PCE価格指数低迷で利上げ観測後退

  31日のニューヨーク金先物相場は反発。米個人消費支出(PCE)と所得は伸びを示したものの、金融政策当局のインフレ目標の基準であるPCE価格指数が低迷を続け、利上げペースは緩やかになるとの見方が広がった。PCE価格指数は前年比1.4%の上昇にとどまり、伸び率が当局目標の2%を引き続き大きく下回った。金は月間では1月以来の大幅高となった。米政治の混乱で逃避需要が強まった。

  RJOフューチャーズのシニアマーケットストラテジスト、フランク・コリー氏は「データは良好のようだとしても、米金融当局がタカ派的な見解を持つことはないと市場は考え始めている」と指摘。「こうした低インフレ環境で利上げを正当化することはできない」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%高の1オンス=1322.20ドルで終了した。
原題:Mighty Month for Metals Sees Gold to Zinc Gain on Rates, China(抜粋)
PRECIOUS: Gold Advances as Fed Rate View Outweighs Economic Data(抜粋)

◎NY原油:反発、ガソリン急伸につれる-製油所の回復に注目

  31日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反発。ガソリン相場が約2年ぶりの高値に上昇したことにつれて買いが入った。ハリケーン「ハービー」の影響で操業停止に追い込まれたメキシコ湾岸の製油所やパイプラインの復旧ペースに注目が集まっている。

  ハービーの最初のテキサス州上陸以来、米国の製油所の生産能力は約23%低下している。
タイチ・キャピタル・アドバイザーズ(ニューヨーク)の商品ファンドマネジャー、タリク・ザヒル氏は電話インタビューで、注目は製油所がどのぐらい速く回復できるかだと指摘。「現在はガソリン中心の相場だ。影響はテキサス地域全体に及んでおり、状況はまだ流動的だ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物10月限は前日比1.27ドル高い1バレル=47.23ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.52ドル上げて52.38ドル。同月限はこの日が最終取引日だった。NYMEXガソリン9月限は前日比25.52セント(13.5%)高い1ガロン=2.1399ドル。
原題:Gasoline Surges as Traders Eye Harvey Impact on Energy Assets(抜粋)

◎欧州株:続伸、鉱業銘柄に買い-中国の経済データに反応

  31日の欧州株式相場は続伸。中国の製造業統計が市場予想を上回っ たことを手掛かりに、資源株が上昇した。

  指標のストックス欧州600指数は0.8%高の373.88で終了。鉱業株の 指数は5カ月ぶり高値、ヘルスケアの指数は7週間で最大の上げとなっ た。一方で小売株の指数は1.3%安。

  ストックス欧州600指数は月間では1.1%安、これで3カ月連続での 下落となった。

  個別銘柄ではこの日、TP ICAPやヘイズ、サイペンなどの上 げが目立った。
原題:European Stocks Extend Rebound as Miners Rally on China Eco Data(抜粋)

◎欧州債:イタリアとフランスの国債が上昇、ECBに関する報道で

  31日の欧州債市場ではドイツ国債先物がほぼ変わらず。株式相場が 堅調な中、独国債は売りが先行したが、一部のECB当局者がユーロ高 を懸念しているとする報道を受けて急伸する場面もあった。米国債の上 昇に伴い、中核国の国債は午後の取引を通じて支えられた。月末特有の デュレーション(平均残存期間)延長も支援要因となった。

  資産購入縮小のペースを急速ではなく緩やかにするよう求める圧力 が、一部の当局者から強まっている。とりわけ経済が比較的弱い国の出 身者に多く、ユーロ高がインフレを抑え輸出競争力をそぐことで成長が 損なわれると懸念していると、ロイター通信が匿名の関係者3人の話と して報じた。

  イタリア国債利回りは3-4bp低下、こうした債券はECBのテ ーパリング期間の長期化によって恩恵を受けるとみられている。

  米国のデータは無難にこなしたが、米国債は月末の大規模なデュレ ーション延長を背景に押し上げられた。
原題:Italian, French Bonds Rally on ECB Report; End-of-Day Curves(抜粋)

(外為、米国債を更新します.)
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