MiFID2は吉か凶か-リサーチ会社が収入期待、裏目に出る危険も

  • これまで独占してきた有料リサーチ市場で銀行との競争に直面へ
  • 比較的新しいグループは価値ある何かを提供できると納得させる必要

リジーナ・バロミオ氏のデスクでは、このところ電話が鳴りやまない。これは顧客への無料リサーチ提供を禁止する欧州連合(EU)の新たな規制、MiFID2(ミフィッド2)の影響の大きさを示すものだ。

  ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントでインターナショナル高利回り債責任者を務めるバロミオ氏のところには、複数の独立系リサーチ会社のセールスマンからサービスを売り込む電話が毎週かかってくる。ミフィッド2の施行で思いがけない収入が得られると期待し、フランスのスプレッド・リサーチを含むリサーチ会社がアナリストやセールスマンを増やしており、オートノマス・リサーチは、顧客が利用した分に応じてリサーチ料を支払う新たな料金モデルを試行している。

  これらの会社は、今まで自分たちが独占してきた有料リサーチというニッチ(隙間)市場で、グローバルバンクとの競争に直面しようとしており、一連のセールス攻勢は、嵐がこれから襲いかかろうとする状況を反映している。

MiFID2とは-QuickTake

  ミフィッド2は、EUの金融・資本市場の包括的な規制、第2次金融商品市場指令の略称。来年1月の施行後は、資産運用会社が銀行などに支払う取引手数料と銀行側の投資リサーチ費用を切り離すことが義務付けられる。銀行はこれまでトレーディングを行う顧客にサービスとして提供してきたリサーチの代価を請求せざるを得なくなり、独立系のリサーチ会社は、自社商品の価値と価格の正当性を顧客に納得させる一層の努力を強いられることになる。

  何十年も無料リサーチの提供を受けることに慣れてきた資産運用会社側も、料金をどこまで払えるかやコストを顧客に転嫁できるかについて判断を迫られている。バロミオ氏は「評価が確立している大手の独立系会社は業績の改善を期待できる位置にあるかもしれない。だが、比較的新しいグループは価値ある何かを提供できると証明しなければならず、全ての会社にそれができるとは限らないだろう」と指摘した。
原題:MiFID Sees Researchers Betting on Growth That May Not Come (1)(抜粋)

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