政井日銀審議委員:2%に向けたモメンタム着実に強まりつつある

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  • 所定内給与上昇と人手不足による生産性向上機運の高まりが理由
  • 達成後ずれの背景を説明、2%に向けた政策遂行が重要

A Japanese national flag flies while signage for the Bank of Japan (BOJ)

Bloomberg

日本銀行の政井貴子審議委員は31日、松山市内で講演し、物価目標2%に向け「モメンタムは着実に強まりつつある」と述べた。講演要旨を日銀が公表した。

  政井氏は理由として、所定内給与の2年以上の上昇と、人手不足による生産性向上への機運の高まりを挙げた。日銀が緩和的な金融環境を維持することが企業の動きを後押しし、生産性向上や潜在成長率引き上げにもつながるとみている。

  需給ギャップが改善する中、企業の賃金や価格設定の方針も「次第に積極化するとともに、予想物価上昇率も次第に伸びを高めていく」と分析した。2%達成時期の後ずれは望ましいことではないとしつつ、「背景をしっかり説明し、2%に向けたパスをたどるように政策を遂行していくこと」が重要だと話した。

  午後の会見では、日銀が2%の物価目標を掲げる理由として、2%が世界標準となっている点が「大変重要だ」と指摘。各国と同じ水準に設定することが「長期的に為替市場や金融市場の安定につながる」と説明し、「物価目標を変えることは適切ではない」と述べた。

  物価指数が高めに出やすいという「くせ」があることや再びデフレに陥らないための「のりしろ」としての役割についても言及した。長期国債の買い入れ(保有残高の年間増加額)のめど「約80兆円」を実際の買い入れペースが下回っていることについては、「特に問題は生じていない」との見方を示した。

  日銀は7月公表の展望リポートで、物価目標2%達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りした。黒田東彦総裁が就任直後の13年4月に2年をめどに目標を達成すると宣言してから、達成時期の先送りは6回目。

  日銀は昨年9月、金融市場調節の操作目標をマネーの量から金利に転換。長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」に誘導する長短金利操作を導入した。

(4-5段落に会見での発言を追加します.)
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