8月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル続伸、ADP統計やGDPの堅調で米景気を楽観

  30日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。米経済指標が力強い内容となり、景気の先行き安心感が高まり、ドル買いが膨らんだ。ADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の米民間雇用者数と4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は、いずれも市場予想を上回った。

  トランプ大統領が北朝鮮の脅威に対し「対話は答えではない!」とツイッターに投稿すると、ドルは伸び悩む場面もあった。ただ、マティス米国防長官は「外交的解決策は決して尽きない」と述べた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のリポートも一時、ドルの上値を抑えた。債務上限の引き上げに失敗すると、2008年のリーマンショックを超える壊滅的な状況に陥るという。
 
  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.5%上げて1ドル=110円24銭。対ユーロでは0.7%高い1ユーロ=1.1884ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇。

  8月の民間雇用者数は23万7000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万5000人増だった。実質GDP改定値は前期比年率3%増と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値2.7%増を上回った。

  バークレイズのストラテジスト、フアン・プラダ氏によると、月末特有のポートフォリオのリバランスもドルを押し上げた可能性がある。パッシブモデルは対ユーロと対円での小規模なドル買いを示しており、ポンドとカナダ・ドル、豪ドルに対してはもっと小規模なドル買いを示唆しているという。

欧州時間の取引

  ユーロは対ドルで1.1900ドルを割り込んだ。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は9月7日の政策決定会合後にユーロ高をけん制する可能性が高いと、アナリストの間ではみられている。

  ドルは対円で110円ちょうどの水準を突破した。28日の北朝鮮のミサイル試射を受けて弱まっていたリスク選好の動きが引き続き回復を示している。
原題:Dollar’s Relief Rally Stalls After Trump Rejects Negotiation(抜粋)
Dollar Advances on Back of Stronger-Than-Expected GDP, Jobs Data(抜粋)
USD Rally Stalls After Trump Rejects Negotiation: Inside G-10(抜粋)

◎米国株:4日続伸、GDPで景気楽観-テクノロジーや素材が高い

  30日の米国株は4日続伸。朝方発表された米国の実質国内総生産(GDP)統計を受け、米経済への楽観が強まった。

  S&P500種株価指数は前日比0.5%上昇の2457.59。ダウ工業株30種平均は27.06ドル(0.1%)上昇して21892.43ドル。

  S&P500種は取引開始直後はトランプ米大統領のツイッターを手掛かりに下落していた場面もあった。大統領はワシントン時間30日朝、「米国は25年間も北朝鮮と対話を続け、脅され金を払ってきた。対話は答えではない!」とツイッターに投稿した。

  ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダー、マイケル・アントネッリ氏は「市場が特に神経質になっているとは思えない」と述べ、「時の経過とともにこうしたツイッターの市場への影響力はますます弱まっている」と指摘した。

  4-6月(第2四半期)の実質GDP改定値は前期比年率3%増、速報値の2.6%増から上方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は2.7%増だった。経済で最も大きな部分を占める個人消費は3.3%増(予想3%増)と、速報値の2.8%増から上方修正され、昨年4-6月期以来の高い伸びを記録した。

  また給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが30日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、8月の米民間雇用者数は23万7000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万5000人増を上回った。

  業種別ではテクノロジーや素材が上昇した。一方、公益事業、電気通信サービスは下落した。

  アナログ・デバイセズやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はいずれも上昇した。アマゾン・ドット・コムも上昇。アマゾンは同社の音声アシスタント機能「アレクサ」とマイクロソフトの同「コルタナ」が年内に相互対応すると発表した。 

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は11.2に低下した。
原題:U.S. Stocks, Dollar Advance on Growth Optimism: Markets Wrap(抜粋)
U.S. Equities Close Higher as Tech, Materials Shares Advance(抜粋)
Amazon & Microsoft Collaborate to Help Alexa and Cortana Talk(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、狭いレンジで推移-物価や雇用の統計控え

  30日の米国債市場では、10年債利回りがここ3カ月で最も狭いレンジでの推移となった。市場は31日発表のインフレデータや9月1日発表の8月雇用統計待ちの状況となっている。

  朝方には好調なADP民間雇用統計や4-6月(第2四半期)米国内総生産(GDP)改定値に反応して、利回りが大きく上げる場面があった。ただトランプ大統領が北朝鮮との緊張状態に関して「対話は答えではない!」とツイートした後は、米国債はもみ合う展開となった。

  BMOのストラテジストらは、「力強いADP統計や予想を上回るGDP伸び率に利回りがさらに押し上げられなかったのは、北朝鮮との緊張に関連した強気な下支えと整合する」と分析した。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の2.13%。ブルームバーグのデータによれば、動いた幅は2.43bpと、同じく動意が乏しかった24日や28日よりもやや狭い幅だった。30年債利回りはほぼ変わらずの2.74%。  

  トランプ大統領はこの日、税制改革について演説したが詳細に乏しく、市場はほとんど反応しなかった。大統領は法人税率の15%への引き下げが望ましいとの考えなどを示した。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが30日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、8月の民間雇用者数は23万7000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万5000人増だった。前月は20万1000人増(速報値17万8000人増)に上方修正された。

  また4-6月期の米実質GDP改定値は前期比年率3%増と、速報値の2.6%増から上方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は2.7%増だった。
原題:Treasury Yields Ply Tightest Range in 3 Months Ahead of Key Data(抜粋)
原題:Treasuries Mixed as Trump Says Talking Not Answer to North Korea(抜粋)

◎NY金:反落、ドル上昇や米GDP上方修正で-北朝鮮情勢も沈静

  30日のニューヨーク金先物相場は反落。前日につけた年初来高値から下げた。ドルの上昇が背景。米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたことを受け、近く利上げが実施される可能性があるとの観測も再び強まった。

  RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョージ・ジロ氏は、GDPと雇用の統計が「支えになってドルがやや持ち直した」と指摘。「北朝鮮情勢が少し落ち着いて、差し迫った状況では全くないことから、資金が引き揚げられている」とも述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.4%安の1オンス=1314.10ドルで終了した。前日には1331.90ドルと、中心限月としては昨年11月以来の高値をつけていた。

  銀先物12月限は0.1%下げて17.503ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値下がりした。
原題:Gold Futures Drop as Dollar Gains, U.S. Economy Shows Momentum(抜粋)

◎NY原油:続落、ガソリン2年ぶり高値-製油所動向に注目

  30日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続落。ガソリンは2年ぶり高値を更新した。熱帯暴風雨ハービーがテキサス州ヒューストンの周辺からルイジアナ州南西部へと内陸に移動し、投資家は製油所の操業停止と再開への影響を見極めようとしている。EIA週間在庫統計では原油在庫が9週連続で減少したものの、生産は引き続き増加した。

  トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド)で石油関連資産160億ドルの運用に携わるマット・サリー氏は、「今の市場では週間在庫統計よりも熱帯暴風雨の方が強い不安材料だ」と指摘。「今回の暴風雨は極めて効率的に製油能力を低下させる進路にある」と電話取材に対して話した。
 
  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物10月限は前日比48セント(1.03%)安い1バレル=45.96ドルで終了し、5週ぶり安値。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.14ドル下げて50.86ドル。10月限は31日に最終取引を迎える。NYMEXガソリン9月限は前日比10.14セント(5.7%)高い1ガロン=1.8847ドル。2015年7月以来の高値。
原題:Gasoline at Two-Year High as Harvey Shuts Largest U.S. Refinery(抜粋)

◎欧州株:4日ぶり上昇、北朝鮮巡る地政学的緊張が後退

  30日の欧州株式相場は、指標のストックス欧州600指数が4日ぶりに上昇した。北朝鮮を巡る地政学的な緊張が緩和した。

  ストックス欧州600指数は前日比0.7%高の371.01で引け、1週間ぶりの大幅高。業種別では鉱業株指数が1.3%高で上昇率が最大。ストックス600指数は北朝鮮が日本上空を通過するミサイルを発射したことを受け、29日に半年ぶりの安値に沈んでいた。

  国別の主要指数は英FTSE100が0.4%高、独DAXが0.5%高、仏CAC40が0.5%高。
原題:European Stocks End Three-Day Drop as North Korea Concern Fades(抜粋)

◎欧州債:下落、フィンランドの国債発行や堅調な米経済指標が相場圧迫

  30日の欧州債市場では、ドイツ10年債利回りが2bp程度上昇した。スワップ金利とのスプレッドは縮小、株が上昇するなど、最近のリスクオフの動きにやや沈静化が見られた。ただ、フィンランドの国債発行や堅調な米経済指標が相場を圧迫した。

  フィンランドは10年債を30億ユーロ発行。この値付けを前にドイツ債先物が下落した。強い米経済指標が発表されて米国債が軟化すると、売り圧力は強まった。フィンランド10年債はドイツ債と比較して1.5bp堅調。新たに発行された10年債は流通市場でECBの債券購入プログラムによる需要の恩恵を受け続けるとみられている。ECBのデータを基にブルームバーグが算出したところでは、ECBはフィンランド債の買い入れ額が15億ユーロ不足している。

  周辺国では、イタリアが5年債と10年債の入札を無難に消化。イタリア債に比べてスペイン債は振るわず、来週の国債発行に備える動きが始まっていた。
原題:Bunds Weighed by USTs, Finland Deal Pricing; End-of-Day Curves(抜粋)

(米国債、NY外為を更新します.)
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