夏の天候不順で野菜高騰、消費へ影響も-キュウリ62%、ナス54%

  • 東京では8月1日から21日まで連続で降雨となり、観測史上2位
  • 日銀にとってはデフレ圧力-JPモルガン証券の足立氏

雨と曇り空が各地を覆い尽くした8月。野菜の価格高騰などによりエコノミストの間では消費への悪影響を懸念する声が出てきている。

Photographer: Kiyoshi Ota / Bloomberg

  夏野菜の値段は7月の猛暑と8月の悪天候を受けて高騰。農林水産省の青果物卸売市場調査によると、8月中旬の野菜の卸売価格は前年同期比5%上昇となり、数量は13%下落した。値上がりが顕著なのは夏野菜の一部で、キュウリが62%、ナスが54%上昇した。

  気象庁によると、東京では8月1日から21日まで連続で降雨となり、観測史上歴代2位の記録となった。仙台では7月22日から8月26日まで36日連続の降雨を記録。この時期としては、1934年に観測した35日連続を抜いて観測史上最長となった。日照不足と低温を受け宮城県は、いもち病への警戒を呼び掛けている。

  天候不順は、堅調な内需で4-6月期は11年ぶりとなる6期連続の拡大となった日本経済を減速させる要因になる。消費者物価指数(コアCPI)は生鮮食品を含んでおらず、2%の安定的な物価上昇を目指す日本銀行にとっても追い風にはならない。

  JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、食料など生活必需品の価格高騰は消費意欲を低下させ、「日銀にとってはデフレ圧力」になると述べた。悪天候はレジャー関連の消費を抑制した可能性も高く、8月の消費が前月比でマイナスになったはずだと述べた。

  同証券では7-9月期では実質個人消費は0.1%減少(年率換算では0.5%減)すると予想している。4-6月期の実績は0.9%増(年率換算では3.7%増)。

  持続的な成長へ鍵を握る個人消費。今週発表された7月の小売業販売額は前月比1.1%増となり、猛暑がエアコンなどの夏物家電の売り上げを伸ばした。一方、家計調査では7月の実質消費支出は前年同月比0.2%減となった。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、8月は冷夏の影響もあり、リスクが大きいとみている。

  第一生命経済研究所の柵山順子主任エコノミストは消費者は野菜などの生活必需品の価格上昇に敏感で、悪天候が長引いて海産物などにも波及した場合、消費への影響は大きくなる可能性があるという。同研究所では、7-9月期の民間消費支出の増加は0.1%にまで落ち込むと予想する。

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