灼熱の夏の次は寒波を警戒-ガス不足に原発停止なら南仏に打撃

  • フランスのガス在庫は危険なほどの低水準-BIのマンマドフ氏
  • 夏季需要増大への対応で増えているのがLNG輸入

数カ月に及ぶ焼け付くような暑さから逃れつつあるフランス南部は今、厳しい冬の寒さへの備えを急いでいる。

  水力発電の減少を補ったり、冷房用の発電に充てられたりして貯蔵すべき天然ガスが使われている。これが意味するのは、冬の暖房のため十分な燃料が確保できない可能性だ。フランスのガス価格は昨冬、世界で最も高くなった。

  悪いことに、フランスで暖房用電力の主要電源である原子力発電所は不透明感に包まれている。原発絡みの問題発覚を受けた当局の検査により、原子炉の無期限停止という可能性もある。今年は予期せぬ原子炉停止でガス需要が急上昇し、ガス不足に陥った。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、エルチン・マンマドフ氏(ロンドン在勤)は「フランスのガス在庫は危険なほどの低水準が続いている」と述べる。

気温上昇が経済に悪影響を与えている

出所:ブルームバーグ

  夏季需要増大への対応で増えているのが液化天然ガス(LNG)の輸入だ。パンユーラシアン・エンタープライゼスによれば、マルセイユ近くの2つの重要な輸入ターミナルからの7月1日から8月15日にかけての供給は2011年以来の高水準に達した。

  仏南部向けのガス貯蔵拠点は昨冬、在庫水準がほぼ半分に落ち込んだ。今年1月に寒波が供給を圧迫する前のことだ。今でもこの拠点のガス貯蔵量は5年平均を下回っている。ガス・インフラストラクチャー・ヨーロッパのデータによると、仏全土の貯蔵水準は8月27日時点で68%。仏南部は77%で、この時期では13年以来の低水準だ。

  送電事業者のGRTガスとTIGFは5月に示した冬季見通しで、両輸入ターミナルのLNG供給が低水準なら仏南東部で問題が発生する可能性が非常に高いと分析。市場が想定していない10日間の寒波に見舞われた場合、フランスの消費者はLNGの迅速な供給が受けられずガス不足に陥るだろうと記した。

  GRTガスは現在、計画通りに貯蔵を積み増していると説明。エネルギー省にコメントを求めたが返答はなかった。原子炉停止に寒波が重なれば、ガス貯蔵水準の低さが痛手となりそうだ。

原題:As France’s Heatwave Melts Away, Second Weather Crisis Brews (1)(抜粋)

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