ドル・円は110円台を回復、北朝鮮情勢巡る緊張一服で円売り優勢

更新日時
  • 欧州時間にかけて一時110円17銭と17日以来の高値
  • 短期的なリスク回避の円買いは連続性がないと持たない-ANZ

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=110円台を回復した。前日の米国時間に北朝鮮によるミサイル発射を受けたリスク回避の円買いの動きが一服し、反発した流れを引き継いだ。

Japanese yen banknotes of various denominations are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Wednesday, July 22, 2015.  The yen slipped 0.1 percent to 124.03 per dollar after better-than-expected data on U.S. housing and a continuing commodity rout boosted the greenback. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ドル・円は午後3時42分現在、前日比0.4%高の110円15銭。欧州時間にかけて上値を拡大し、一時110円17銭と17日以来の高値を付けた。前日の海外時間には一時108円27銭と4月17日に付けた年初来安値108円13銭に迫ったが、米国株が持ち直す中、109円90銭まで反発していた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、北朝鮮情勢が為替相場に及ぼす影響について、「短期的なリスク回避は材料として連続性がないと、米国の今週の一連の物価関連指標や本日のトランプ大統領の税制改革に関する発言、週末の米雇用統計を控えている中では長続きしづらい」と指摘。ドル・円相場を巡る短期的なポジションは、前日安値からの急反発で「ほぼ中立化してきている」と述べた。

  三菱東京UFJ銀行のグローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、ドル・円相場について、株価が上昇したことから「ドル・円は戻りを試す時間帯になっている」と説明。その一方で、「低インフレによる米利上げへの不透明感や債務上限引き上げ問題などによるドル安基調は変わっていない」ことに加え、9月9日の北朝鮮建国記念日といった北朝鮮リスクも残るとし、「110円台では上値が重そう」と述べた。

  円は主要16通貨全てに対して前日比で下落。対ユーロでは一時1ユーロ=131円64銭と、昨年2月4日以来の安値を付けた。

  オーストラリアドルは7月の住宅建設許可件数が市場予想を上回ったのを受けて、対ドルで一時8月1日以来の水準まで上昇。ANZの吉利氏は豪ドルの上昇について「基調としてのドル安の流れに乗っているほか、鉄鉱石や銅など、原油価格以外の資源価格が上昇しており、資源国通貨の豪ドルやNZドルはイメージとして買われやすい」と指摘した。

  ニュージーランドドルは、NZ中銀のウィーラー総裁が講演で「より弱いNZドルが必要」と述べたことが材料視されて一時売られたものの、下値は限定的だった。豪ドルが対NZドルで一時約5カ月半ぶりの水準まで買われたことも、豪ドルの堅調地合いとNZドルの上値の重さにつながった。

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