9月の日銀国債買い入れオペ方針、長期ゾーンのレンジ下げ有無に注目

  • 残存5年超10年以下の買い入れ、8月は2回で合計600億円減額
  • 「5-10年」3000億~5000 億円程度などに下方修正が自然との声

日本銀行はこの日の夕方に9月の長期国債買い入れオペの運営方針を発表する。市場関係者は、8月のオペで2回減額され、長短金利操作(イールドカーブコントロール)策の誘導目標である長期ゾーンの買い入れのレンジが引き下げられるかどうかに注目している。

  長期ゾーンを対象とする残存期間「5年超10年以下」の買い入れオペ1回当たりの金額は、日銀がオペの年限別の買い入れレンジと実施日を事前公表する現行方式に改めた3月以降、3500億~5500億円程度のレンジで据え置かれている。

日本銀行

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  3月3日から7月5日までの同オペでは、レンジの中心値にあたる4500億円を買い入れていた。長期金利が一時0.105%まで上昇した7月7日から同月18日までの3回は5000億円で実施されたが、金利上昇が落ち着いてから減額に転じている。7月24日には4700億円、金利低下が進んだ8月は16日と25日の2回で合計600億円減らし、直近の買い入れ額はイールドカーブコントロール下では最低となる4100億円となっている。

  市場関係者の見方は以下の通り。

◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト:

  • 買い入れ額が4100 億円まで減っている「5-10 年」は、3500億~5500億円程度というレンジを3000億~5000 億円程度などに下方修正されるとみておくのが自然だろう
  • 他方、減額観測がくすぶる「3-5 年」や「10-25 年」が、7月末時点から据え置かれれば、買い入れ減額への過度の懸念はいったん弱まりそうだ

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト:

  • 1月の増額以前のオファー額となる4100億円まで減額が進んだ以上、10年金利がマイナス0.10%に接近するまではさらなる減額は見送られる可能性の方が高い
  • ただ、4100億円が今後の中心となることを市場に明示する意味でも、レンジは小幅(500億円)に下方修正されるのではないか
  • マイナス0.1%付近まで金利が低下した場合の減額余地を残しておく意味合いもある。あくまで「現状追認」の範囲にとどまるため、市場インパクトは限定的

◎モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジスト:

  • レンジを下げるとしたら需給が一番タイトな残存「5年超10年以下」と「1年超5年以下」。新発10年債347回の日銀保有比率は7月末で52%、340回や341回になると8割以上
  • ただ、リスクセンチメントが悪い時にレンジを下げると余計なメッセージを与えかねない
  • レンジを下げて明確に減額の意図を示すより、今のレンジ内で減額する可能性が高い

◎バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジスト:

  • 「5年超10年以下」の買い入れ額がレンジの中央値を下回っており、下方修正リスクはある
  • ただ、減額するにしても月2回程度で慎重なペースとみられ、今のレンジでも減額余地は十分
  • 「1年超5年以下」の買い入れ額はレンジの上方にあるが、9月は状況次第で減額とみており変える必要ない。市場に変なストレスがかからないようなオペ運営が続く

◎ニッセイアセットマネジメント債券運用部の三浦英一郎リードポートフォリオマネジャー:

  • レンジを動かさないにしても実際の金額は来月も減っていく方向
  • FRBのバランスシート縮小が始まり、メーンシナリオでないにしても米金利上昇も考えないといけないので、レンジは変更しない可能性が高い
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE