日本上空をミサイル通過でも円がなお資金逃避先である理由とは

  • 日本の外資資産の規模、朝鮮半島との近さを上回る要因
  • 状況が緊迫化すれば日本の外貨資産は本国に引き揚げられるとの観測

朝鮮半島で問題が発生した時でさえ、投資家は困ると円に殺到するのはなぜなのか。

Japanese 10,000 yen notes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Friday, Dec. 13, 2013. The yen fell to a five-year low versus the dollar as the difference in yield between Treasuries and Japanese bonds approached the widest level since April 2011. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

Japanese 10,000 yen notes

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  この疑問は、北朝鮮による新たな弾道ミサイル発射実験後に円が再び上昇した29日に、一段と妥当性を増した。円は4月以来の高値を付け、米国債や金、スイス・フランなどの安全資産と共に急伸。ミサイルが日本の上空を通過しただけに、なおさら円高は目を引いた。

  円の魅力は複数の要素の組み合わせから説明されそうだが、その中心は日本の外貨資産の規模だ。これは投資家の目には日本が地理的に平壌に近いことを上回る要素で、状況が緊迫化すれば資金は本国に引き揚げられる可能性があるからだ。そうなれば円の上昇を促す。

  バークレイズでアジア外為・金利戦略責任者を務めるミツル・コテチャ氏はブルームバーグテレビとのインタビューで、日本の外貨資産のポジションは「非常に大きい」と指摘。円はそのため「リスク回避ムードが見られると資金逃避先として常に買われることになる」と述べた。

円と金について語るバークレイズのアジア為替・金利戦略責任者のミツル・コテチャ氏。

(出所:Bloomberg)

  過去に世界的リスクが高まった際の円のパフォーマンスも要因かもしれない。ファイナンシャル・マーケッツ・アンド・ポートフォリオ・マネジメント誌の昨年11月号に掲載された研究論文では、円は米国債と共に、ボラティリティーが過度に高まる状況で最強の「資金逃避先」と指摘されている。

原題:Missile Flies Over Japan, And Yen Stays a Haven. Here’s Why (1)(抜粋)

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