日本株は反発、北朝鮮情勢への過度な警戒和らぐ-内外需業種広く買い

更新日時
  • 為替は1ドル=109円台後半、直近の円高の勢い止まる
  • 売買代金8営業日ぶりに2兆円乗せ、JPX日経400でリバランス

30日の東京株式相場は反発。北朝鮮によるミサイル発射で高まった地政学リスクへの過度な警戒感が和らいだ。為替が円安方向に振れたことも投資家心理にプラスに働き、電機など輸出株、鉄鋼や化学など素材株、海運、倉庫、食料品株と幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比9.89ポイント(0.6%)高の1607.65と反発、日経平均株価は143円99銭(0.7%)高の1万9506円54銭と3営業日ぶりに上げた。

  セゾン投信の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、北朝鮮によるミサイル発射を受けた前日の日本株売りは「結果的に行き過ぎだった。北朝鮮の挑発は続くものの、米国、中国、ロシアという国際的な枠組みの中で、不測の事態に発展するような動きにはならない」との見方を示した。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米国のトランプ大統領は29日、北朝鮮のミサイル発射への対応について「全ての選択肢が検討対象になっている」との声明を発表。「金体制は隣国と全ての国連加盟国を侮辱し、国家の行為として国際社会が受け入れる最低の基準を無視した」と指摘した。

  一方、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は朝鮮中央通信を通じ、ミサイル試射はグアム封じ込めのための意味深長な前奏曲と表明。今後も太平洋に着弾するミサイル試射続けるよう指示した。

  29日の海外市場は、北朝鮮情勢への警戒感からリスク回避の動きが先行したものの、米国と北朝鮮の衝突には至らないとの見方から質への逃避の動きは徐々に弱まった。欧州時間帯に一時1ドル=108円20銭台まで円高が進んだドル・円は米国時間に反転、30日の東京市場ではおおむね109円70-90銭台と前日の日本株終値時点108円82銭に対しドル高・円安水準で取引された。

  日本、欧州の株安連鎖は米国で止まり、ダウ工業株30種平均は一時100ドル以上下げたものの、0.3%高で終了。朝方から見直しの買いが先行したきょうの日本株は、午後に日経平均が一時175円高まで上げ幅を広げた。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、「月末を控えたお化粧買い、きょうの取引終了時点でのJPX日経400の銘柄入れ替えに絡む買いが一部入った」と言う。

  もっとも、自律反発の域を出ず、継続的な株高にはつながらないとみる市場参加者は多いようだ。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、今回の北朝鮮によるミサイル発射で「9月9日の北朝鮮建国記念日への警戒があらためてクローズアップされた。米国の新年度予算の審議や債務上限引き上げ問題もくすぶり、楽観に傾くわけにもいかない」と話していた。
  
  東証1部33業種は海運、倉庫・運輸、水産・農林、鉄鋼、食料品、電機、電気・ガス、医薬品など30業種が上昇。鉄鋼は、マッコーリーが投資判断を2段階上げた大平洋金属の急伸が寄与した。鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属の3業種は下落。鉱業と石油は、前日のニューヨーク原油先物が0.3%安と続落したことがマイナス要因。

  売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を上げたソニー、新薬候補が米食品医薬品局(FDA)の画期的治療薬に指定された第一三共が高い。みずほ証券が目標株価を上げた旭化成も買われた。半面、スマートフォン向け新ゲームのリリースなど好材料が出尽くしたとみられたKLabが急落。野村証券が生産能力の増強加速を警戒したSUMCOも安い。

  • 東証1部の売買高は17億530万株、売買代金は2兆2247億円、代金が2兆円を上回るのは8営業日ぶり、大引け時にJPX日経400の銘柄入れ替えに伴うリバランスの影響があった
  • 上昇銘柄数は1357、下落は540

    東証1部業種別の騰落率ランキング

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