再び暴落なら保険業界に金融危機よりひどい打撃-ブラックロック

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  • リターン押し上げのために保険会社は金融危機後に複雑な資産を購入
  • ブラックロックが500社余りの保険会社のポートフォリオを検証

2008年の金融危機で手ひどい損失を被った保険業界が、再び市場の暴落に見舞われたらどうなるか。世界最大の資産運用会社である米ブラックロックが、同業界による5兆ドル(約545兆円)相当の米国投資を検証した結果、当時よりもひどい打撃を受けるという答えが導き出された。

People enter BlackRock Inc. headquarters in New York, U.S., on Wednesday, Jan. 11, 2017. BlackRock Inc. is scheduled to release earning figures on January 13. Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

People enter BlackRock Inc. headquarters in New York, U.S.

Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg

  ブラックロックが500社余りの保険会社の監督当局への届け出を分析し、約10年前と同じような下降局面を想定してポートフォリオをモデル化したところ、全米の保険契約の支払い義務に備えて運用する資産の価値は、動産保険および損害保険260社余りで平均11%減少。先の危機のどん底で被った「時価評価」での損失と比べても、著しく急激な資産の目減りが起きるとブラックロックは推計した。

  その理由は非常にシンプル。保険会社は金融危機後に準備不足を埋め合わせる必要があり、低金利が続くこの10年で伝統的なバニラ債(ありきたりの債券)の保有にとどまらない思い切った投資に踏み切らざるを得なかったためだ。保険会社は今や株式や高利回り債だけでなく、現金化の難しいプライベートエクイティ(PE、未公開株)やヘッジファンド投資、不動産を含むさまざまなオルタナティブ資産を大量に保有している。

  ブラックロックで北米ファイナンシャルインスティテューションズ・グループ責任者を務めるザック・バックウォルド氏はインタビューで、「これらのポートフォリオにはさらに多くのリスクが毎年投入されている」と述べ、資産配分は多くの部分の入れ替えが難しいこともあって、そのような変化が固定化しかねないとの見方を示した。

  ブラックロックは、複雑なポートフォリオの運用成績がさまざまな条件の下でどのように変化するか評価する手助けを行い、大惨事に耐え得るポートフォリオの設定に役立つ「アラディン」と呼ばれる分析・助言サービスの保険会社への売り込みを目指している。

原題:BlackRock Finds More Risk Assets at Insurers Than ’08 (Correct)(抜粋)

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