「投資家」のセクハラから起業家を守れ-カリフォルニア法改正の動き
Lizette Chapman-
VCで男性の辞任が相次いだ-資金調達巡り女性が虐待受けたと主張
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加州の民主党議員が法案の概要示す-賛成派、休会中に支持拡大狙う
米国でこの夏、ベンチャーキャピタリストらが絡むセクハラ不祥事が相次ぎ発覚し、職場での嫌がらせを防ぐ現行法の抜け穴が露呈した。カリフォルニア州の議会はこうした欠陥に対応しようとしており、法改正が実現すればベンチャーキャピタル(VC)に対する訴訟の波が見込まれる。他州もカリフォルニアに追随しそうだ。
休会明けの州議会が最初に検討する法案の1つが、企業の創業者に対する嫌がらせを投資家に禁じするものだ。提案はシンプルで、ハラスメントの法的責任を負う職業リストに「投資家」という1つの単語を加えるだけだ。同州はこれまで、家主や教師、不動産エージェントといった職業名を加えることで、法律を改正してきた。
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ベンチャー投資家はテクノロジー業界において極めて大きな役割を担っているにもかかわらず、以前はこうした問題で検証の対象にはならなかった。この業界の約9割は男性で、ベンチャー資本調達という点で女性の存在感は圧倒的に小さい。ブルームバーグが昨年公表した分析によれば、VCが支援する企業では女性の創業者は7%にとどまる。
同業界は最近、セクハラ問題への対応を講じ始めた。10人を超える女性が資金調達を探る際にさまざまな虐待を受けたと主張し、最近数カ月で少なくとも4人の男性がVC企業を辞めた。
同州の法改正を支援しているイコール・ライツ・アドボケーツ(ERA)のエグゼクティブディレクター、ノレーン・ファレル氏は、当初の反応は投資家がそうした振る舞いをしないという「良識の誓約」をつくることだったが、「文化的な時代の精神というものがあり、業界側から明確にする必要があるとの声が聞かれた」と話す。

ハンナベス・ジャクソン上院議員
カリフォルニア州のハンナベス・ジャクソン上院議員(民主)は先週、法案の概要を示した。同法案の賛成派は州議会の休会中に支持を広げたい考えだ。
同州では民主党が上下両院の多数派を占め、州知事も民主党だ。同法案は単純過半数の賛成があれば議会を通過する。全米ベンチャーキャピタル協会は、こうした取り組みを歓迎し、同議員と協力するとしているものの、同法案に関する正式な立場はまだ決めていないという。
原題:Sexual Harassment by VCs Is Targeted in Proposed California Law(抜粋)