リサーチ代金、小規模ヘッジファンドには負担-MiFID2で有料化

ヘッジファンド運用者のダリオ・サチェッティ氏が毎朝出社すると、調査リポートがセルサイドから届いている。

  「1日に20以上は受け取る」と、アナビオ・キャピタル・パートナーズ(ロンドン)の共同創業者の同氏は話す。「とても助かるが、どれを読んでどれを読まないかは自分たちで判断する」という。

  しかし来年1月からは基本的な調査リポートのために数千ドルを支払い、銀行のアナリストと対話するのに数十万ドルを支払わなければならないかもしれない。欧州連合(EU)の金融・資本市場の包括的な規制、第2次金融商品市場指令(MiFID2)の一部である調査リポートの有料化は、サチェッティ氏が必要でないと思われるリポートは切り捨てなければならないことを意味する。

  新規則は小規模なヘッジファンドにビジネスモデルの見直しを迫る。「リサーチの代金として耳にしている金額は、小規模なファンドが支払えるようなものではない」と、運用資産2000万ドル(約21億8000万円)のライトフィールド・キャピタルのサミュエル・グルーエン氏は話す。昨年同社を設立した同氏は、新規則は「ヘッジファンドを設立する際に投資プロセスについて考え直すことを余儀なくさせるだろう」と述べた。

  運用資産1000万ドル未満のエシュラー・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、テロン・ドゥリ氏は新規則発効後は外部リサーチの利用をやめるつもりだ。予想のつく将来に外部リサーチを使うことはないだろうと言う同氏は、「世界が変わるわけではない」としながらも、リポートは「かなり役に立つ」と付け加えた。

  銀行や専門の調査会社は年に数千もの分析や投資アイデアを発表する。独自の調査をするリソースが社内になく調査リポートを情報収集の手段としている中小の運用会社にとっては有用だ。銀行は自社システムで取引をしてもらうために、また中小のファンドがやがて大手顧客になることを期待してリサーチを無料で提供してきた。

  新規則によってこれが有料になる。価格はJPモルガン・チェースの株式基本調査の年1万ドルからバークレイズの中小規模顧客向け45万5000ドルとさまざまだが、大手ですらコスト削減に追われる今、中小のヘッジファンドにとっては手の出ない値段かもしれない。

原題:Smallest Hedge Funds Will Be Quick to Drop Research Under MiFID(抜粋)

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