円全面高、北ミサイル発射受け対ドルで一時108円台前半-4月以来

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  • ドル・円は一時108円34銭まで円高が進行、スイスフランも上昇
  • 年初来安値抜ければ一時的に107円台半ばも-ソニーFH

東京外国為替市場では円が全面高。北朝鮮によるミサイル発射を受け、リスク回避に伴う買いが先行した。対ドルでは一時4月以来の水準まで円高が進んだ。

Japanese yen banknotes of various denominations are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Wednesday, July 22, 2015.  The yen slipped 0.1 percent to 124.03 per dollar after better-than-expected data on U.S. housing and a continuing commodity rout boosted the greenback. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  円は29日午後3時18分現在、主要16通貨全てに対して前日終値比で上昇。ドル・円相場は0.3%安の1ドル=108円93銭で、一時108円34銭と4月18日以来のドル安・円高水準を付けた。リスク回避の動きからスイスフランも買われ、対ドルで約1カ月ぶり高値を付けた。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、目先は米国の出方が注目で、「トランプ大統領が具体的な軍事的行動を取る方向に意思表明をすれば、ドル・円はもう少し下を掘っていく可能性はある」と指摘。4月17日に付けた年初来安値108円13銭を下回れば、一時的に107円台半ばぐらいまで円高が進む可能性はあると話した。

  北朝鮮は29日午前5時58分ごろ、西岸から1発の弾道ミサイルを北東方向に向けて発射した。日本上空を通過し、同6時12分ごろ、北海道襟裳岬の東約1180キロの太平洋上に落下したと推定される。菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。安倍晋三首相はトランプ米大統領と電話会談し、北朝鮮への圧力を強めることで完全に一致したと記者団に述べた。

  ドル・円が年初来安値を付けた4月も北朝鮮が核実験あるいは大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するとの観測でトランプ政権が朝鮮半島近海に空母打撃群を派遣するなど米朝間の緊張が高まっていた。同月16日には北朝鮮が弾道ミサイル発射に失敗。週明け17日の東京市場ではリスク回避の動きから円買いが進んだ。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「北朝鮮であれ、テロであれ、リスク回避となれば、日本は当該国であるにもかかわらず、円が買われる」と指摘。JPモルガン・チェースの佐々木融市場調査本部長も、現時点ではダメージはないが、投資家がリスク回避を始めると、円売りポジションの手じまいにより「タイムラグを伴って円高が進む」と話した。

  北朝鮮情勢緊迫化への警戒から29日のアジア株は下落し、日経平均は一時169円安となった。米株価指数先物も下落。一方、米10年債利回りは一時2.12%と約2カ月ぶりの水準に低下し、金相場は年初来高値に上昇した。

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