トランプ減税、売り込む前から「落とし穴だらけ」-スタッフ意気消沈

  • ムニューシン財務長官は年内完了の公約を渋る-やるべき仕事大量
  • 政権が打ち出すのは議論され尽くしたアイデア-税務アナリスト

トランプ米大統領は任期中最も重要な功績となるはずの税制改革を今週中にも売り込み始めるが、肝心の税制を改革する計画そのものが見当たらない。変更は恒久的なのか、それとも一時的なのか。個人の課税所得帯はどう設定されるのか。法人、特に小規模企業の税率はどうなるのか。基本的な疑問について答えは出ていない。

  8月までには税制改革法案がまとまると予想していたムニューシン米財務長官は、先週25日の時点で、年末までにまとまると公言することを控え、やるべき事が大量に残されていると明らかにした。

コロンビア大学経営大学院学長のグレン・ハバード元経済諮問委員会(CEA)委員長

(出所:Bloomberg)

  かつて議会上院の税制担当スタッフだったヘンリエッタ・トレイズ氏(ヴィーダ・パートナーズの税務アナリスト)は、「どこにもない。まったく姿が見えない」と減税案について語る。「政府は新しい進展のようにいろいろな考えを打ち出しているが、この20年間何度も議論され、消化を繰り返してきたものであり、白書の域を出たことがない代物だ」と続けた。

トランプ大統領とムニューシン米財務長官

撮影:ザック・ギブソン/ブルームバーグ

  
  トレイズ氏によれば、議会の税制スタッフらは予想外の暗い見通しに意気消沈している。共和党指導部と議員の間、さらには下院共和党と上院共和党の間に「敵対的な」雰囲気が漂い、トランプ大統領が共和党上院議員を罵倒することによって、大統領と議会共和党の間の不信感は深まっている。

  

  ケビン・ブラディ下院歳入委員長の広報担当者、エミリー・シュリンガー氏は「重要な目標達成に向かって同じ方向を確実に進めるよう、当チームはホワイトハウスおよび上院と協力している」とコメントした。
  
  トレイズ氏が想定する最善のシナリオでは、勤労所得控除や子どもの扶養者控除などといった既存控除を拡大した形で年末に法案が議会を通過するというもの。税率引き下げは財政面で問題となり、控除廃止の取り組みはロビイスト団体からの反発を招き、共和党の多くは賛成しづらくなるという。

  「とにかく、そこら中に落とし穴がある。道路陥没や地盤沈下の穴だらけだ」とトレイズ氏は述べた。

原題:Trump’s Pivot to Taxes Is Fraught With ‘Pitfalls Everywhere’(抜粋)

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