「米国は大統領不在」-6兆円弱運用の年金基金が米国株の比重落とす

  • フィンランド最大の民間年金基金、ポートフォリオ中の株式比重低下
  • 債券投資は金利上昇に備え、デュレーション短めに変更

米国の実質的な指導者不在を理由に、450億ユーロ(約5兆8700億円)のポートフォリオを運用するフィンランド最大の民間年金基金が米国株の比重を落とした。

  バルマ・ミューチュアル・ペンション・インシュアランスのリスト・ムルト最高経営責任者(CEO)は23日にヘルシンキでインタビューに応じ、「米国は大統領不在のようにみえる」と発言。「道義および実務上の権力者が何たるかを考えると、もはや伝統的な大統領はそこにいない」と付け加えた。

リスト・ムルト氏

出典:Varma Mutual Pension Insurance Co.

  ツイッターに自身の意見を次々投稿する異例なスタイルのトランプ大統領登場で、米国は世界の政治リスクを高める要因の一つになった。経済成長を押し上げるとして投資家が期待した立法措置は進まず、ムルト氏は特に大統領が議会と協力できない様子であることが懸念されると述べた。

  同氏は「2008年からの教訓は、米国が問題を抱えれば、全世界が問題を抱えるということだ」と語り、バージニア州シャーロッツビルで12日起きた白人至上主義者らと反対派の衝突に対するトランプ大統領の反応を受けて、産業界は同大統領との関係で「限界点」に達し、たもとを分かったとの見方を示した。

  バルマは4-6月期に米国株を中心に、ポートフォリオ中の株式の比重を5%落とした。現在は現金の比重の方が高く、機会が生じれば即時投資の準備が整っているという。また、金利上昇に備え、デリバティブ(金融派生商品)を活用して債券投資のデュレーションを短めにした。

原題:‘No President in the U.S.’ Leads $53 Billion Fund to Sell Stocks(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE