TOPIXは続伸、米イベント通過で警戒和らぐ-医薬品、HIS高い

更新日時
  • ジャクソンホール会議、イエレンFRB議長の講演は穏当に
  • 米長期金利の低下や為替の円高推移は重し、日経平均マイナス終了

 28日の東京株式相場は、TOPIXが続伸。米ジャクソンホールでの会合で欧米中央銀行の首脳からタカ派的な発言がなく、拙速な金融引き締めに対する警戒感が和らいだ。医薬品やサービス、電気・ガスなど内需株が高く、サービスでは増益決算のエイチ・アイ・エスが急伸。任天堂などその他製品株も高い。

  一方、米国の長期金利低下や為替のドル安・円高推移は相場全般の重しとなり、金融や輸出セクターは終日軟調な値動き。日経平均はマイナス圏で取引を終えた。

  TOPIXの終値は前週末比3.13ポイント(0.2%)高の1600.12と、3営業日ぶりに1600ポイントを回復。日経平均株価は2円71銭(0.01%)安の1万9449円90銭。

  東京海上日動火災保険・資産運用第2部の桑山祐介課長代理は、米ジャクソンホール会合を波乱なく通過し、「金融相場の継続は株式市場にとってグローバルにポジティブ。日本株は企業業績、金融環境が良く、おおむね堅調に推移しやすい」と指摘。一方で、米金融正常化の遅れは「円高材料になりやすく、若干ネガティブ」との認識も示した。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はジャクソンホールでの講演で、金融危機後に実施した改革を巻き戻す場合は控えめなものにとどめるべきだ、と発言。金融政策については論じなかった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の講演も、貿易や規制に関する内容が中心。質疑応答では、インフレ率の目標到達までまだ先は長いと述べ、ECBの金融刺激解除には慎重さが必要との見解をあらためて示した。

  このほか、米国家経済会議(NEC)のコーン委員長は25日の英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、ネオ・ナチのせいでユダヤ系アメリカ人の私が職を辞するということは受け入れられないと発言。同日の米国株はコーン氏発言の報道に加え、イエレン議長の講演がタカ派的なトーンにならなかったことを材料に、S&P500種株価指数が0.2%高と上昇した。

  週明けの日本株は続伸して始まり、日経平均は一時82円高の1万9535円まで上昇。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「中央銀行トップの講演は現在の緩和スタンスが正当化される状況だという点で共通。株式市場は適温相場が続くと感じた」と言う。ただ、上昇の勢いは続かず、TOPIXはプラスを維持したが、日経平均はマイナス圏で終了。上値抑制要因として投資家に意識されたのは、米金利の低下と為替動向だ。

  25日の10年債利回りは2.17%と前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=109円から同30銭台で推移、前週末の日本株終値時点109円60銭からはドル安・円高水準だった。東京海上日動の桑山氏は、「9月の米FOMCまでは相場を動かす材料に乏しい。連銀高官も市場同様に米利上げがゆっくりとみていれば、円高要因。日本株には若干ネガティブな可能性がある」としている。

  東証1部33業種はその他製品、医薬品、繊維、サービス、電気・ガス、ゴム製品、建設、卸売など27業種が上昇。保険や銀行、鉱業、輸送用機器、電機、不動産の6業種は下落。売買代金上位では、ハウステンボスとホテル事業の好調で9カ月決算が営業増益のHISが大幅高。任天堂やKLab、住友金属鉱山も高い。半面、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を下げたヤフーが売られ、SUBARUやアルプス電気、カルビー、IHIも安い。

  • 東証1部の売買高は13億4492万株、売買代金は1兆7448億円、代金は6営業日連続で2兆円の大台割れ
  • 上昇銘柄数は1184、下落は713

  

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