8月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ、15年来高値-ECB総裁の講演受け

  25日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが上昇。対ドルで2015年1月以来の高値を付けた。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がジャクソンホールで開かれたシンポジウムでの講演でユーロを押し下げるような発言をしなかったため、ユーロ買いが膨らんだ。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数はドラギ総裁の発言を受けて2015年1月以来の水準に低下。その後はやや下げ渋った。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が金融政策の見通しについて新たな見解を示さなかったため、ドルは主要10通貨の全てに対して下落。国債利回りが低下し、株式相場は上昇した。ドラギ総裁がユーロ上昇を抑制し、イエレン議長が年内の利上げの可能性を強調すると予想していたトレーダーにとっては両講演は失望を誘う内容となった。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.2%下げて1ドル=109円36銭。対ユーロでは1.1%安い1ユーロ=1.1924ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%低下。

  ドラギ総裁は講演で保護主義のリスクについて言及。質疑応答では、ユーロ圏のインフレ率がまだ目標に向けて自律的に収れんしていないため、ECBは「警戒を緩めてはならない」と述べた。

  イエレン議長は金融危機後に実施した改革を巻き戻す場合、「控えめ」なものにとどめるべきだと指摘。経済に関して最も近い発言は「金融当局の経済目標である雇用の最大化と物価安定に向けて大きな進展が見られている」と認めたことだった。

  ユーロは対ドルで一時1.1941ドルまで上昇。前日比1%超上げて、1カ月ぶりの大幅高となった。

  クレディ・スイスのストラテジスト、シェーブ・ジャリヌース氏はドラギ総裁がユーロ高をけん制する姿勢を示さなかったことから、ユーロは年末までに1.22ドルに上昇すると予想した。

欧州時間の取引

  ドルは円に対して、イエレン議長の発言を手掛かりに一時109円12銭まで下落した。発言が伝わる前は109円84銭とこの日の高値を付けていた。

  ユーロは対ドルで1.1884まで上昇。1.1850ドル近辺で損失覚悟の買い戻しが入った。
原題:Euro Surges to Highest Since January 2015 After Draghi Speech(抜粋)
USD to 15-Month Low as Yellen No Obstacle for Bears: Inside G-10(抜粋)

◎米国株:上昇、イエレン議長の講演はタカ派的にならず

  25日の米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長のこの日の講演が、一部で予想されていたようなタカ派的なトーンにならなかったことが背景にある。

  相場は朝方、コーン国家経済会議(NEC)委員長がトランプ政権を去ることはないとの一部報道を好感して上昇。午後も堅調を維持した。S&P500種株価指数は週間ベースではここ1カ月余りで最大の上げ。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%高の2443.05。ダウ工業株30種平均は30.27ドル(0.1%)上げて21813.67ドル。

  S&P500種の出来高は30日平均を21%下回った。

  イエレン議長はこの日の講演で、インフレや政策金利について発言しなかったことから、一部市場でハト派的と受け止められた可能性がある。

  議長はこの日、金融規制について講演。金融危機後に実施した改革を巻き戻す場合は「控えめ」なものにとどめるべきだと指摘。これまでの改革が奏功し、銀行システムは経済への信用供給を過度に減らすことなく力強さを増し、回復力を高めてきたためだと説明した。

  S&P500種の業種別11指数では9指数が上昇。電気通信サービスやエネルギーが高い。下げたのはヘルスケアと情報技術株の指数だった。

  またこの日は石油・天然ガス掘削の関連銘柄が上昇。RBCが投資判断を引き上げた。S&Pスーパーコンポジット石油・ガス掘削指数は2.3%上昇。個別銘柄ではトランスオーシャンやノーブル・エナジー、ローワンなどが高い。

  消費関連では、アマゾン・ドット・コムの影響がこの日も見られた。アナリストの間では、食料品店などへのアマゾンの影響について判断するのは時期尚早との見方もあり、前日に売られたクローガーは反発した。
原題:U.S. Stocks, Treasuries Rise After Yellen’s Speech: Markets Wrap(抜粋)
原題:Energy Drill Rig Stocks Shine Brightly on Upgrade: Sector Wrap(抜粋)
原題:U.S. Stocks Rally on Yellen’s Speech; Dow Higher, Dollar Drops(抜粋)

◎米国債:上昇、イエレン議長は政策見通しへの見解示さず

  25日の米国債相場は上昇。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホールでの講演で金融政策見通しに関する見解を示さなかったため、タカ派的な発言を警戒して構築されていたポジションの巻き戻しが生じた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.17%。

  イエレン議長は、金融危機後に実施した改革を巻き戻す場合は「控えめ」なものにとどめるべきだと指摘。金融政策については論じなかった。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も講演では貿易や規制に関する内容が中心だった。講演後の質疑応答では、ECBは「警戒を緩めてはならない」とし、「著しい程度の金融緩和はなお正当化される」と話した。

  7月の米耐久財受注額は全体で前月比6.8%減少と、2014年8月以来の大幅なマイナス。市場予想は6%減。前月は6.4%増だった。先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)は0.4%増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値と一致した。

  米国債の利回り曲線では、米政府が技術的なデフォルト(債務不履行)回避に向けた期限内の債務上限引き上げを実施しない確率は約15%と示唆されている。これは政府の借り入れ権限が尽きる10月半ば付近に償還を迎える米財務省短期証券(Tビル)の利回り上昇に着目した数式に基づく。
原題:Odds of U.S. Technical Default About 15%, T-Bills Curve Shows(抜粋)
Treasuries Pare Yellen-Led Gains After Draghi Avoids Policy Talk(抜粋)
U.S. Stocks, Treasuries Rise After Yellen’s Speech: Markets Wrap(抜粋)

◎NY金:反発、イエレン議長は金利に関する手掛かり示さず

  25日のニューヨーク金先物相場は反発。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はジャクソンホールでの講演で金利に関する明確な手掛かりを与えず、年内の利上げ観測が後退した。同議長の講演前には、わずか1分間に200万オンス超に相当する金先物2万1256枚の大型取引でボラティリティーが急上昇、市場に動揺が走る場面もあった。金のボラティリティー(60日)はこれより先、2005年以来の低水準をつけていた。

  RJOフューチャーズのシニア・マーケット・ストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「市場は二極化している」と指摘。「ここから年末にかけて、FRBが市場のテーマになる。米金融当局は今年初めまでかなりタカ派的だった。今は9月に関して逃げ腰になっているようだ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.5%高の1オンス=1297.90ドルで終了。一時は0.8%下落、また0.7%上昇して1300ドルを突破する場面もあった。
原題:Gold Shaken Out of Slumber by a Mysterious 2 Million-Ounce Trade(抜粋)

◎NY原油:反発、ガソリンは伸び悩む-ハリケーン上陸迫る

  25日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反発。週間での下げは1.3%に縮小した。製油所が密集するテキサス州メキシコ湾岸では、ハリケーン「ハービー」の上陸に備えて石油や天然ガス施設の操業停止が相次いだ。ガソリン先物は一時4.6%高まで買われた後、上げ幅を削った。

  コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏はハリケーンについて、「輸入に何らかの支障が生じるだろう。原油には強気な材料だが、製油が活発な地域だということで影響は和らげられる」と指摘。「輸入は減るが、同時に製油活動も低下する」と説明した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物10月限は前日比44セント(0.93%)高い1バレル=47.87ドルで終了。ガソリン9月限は0.2%上げて1ガロン=1.6666ドルと、約3週間ぶり高値。ロンドンICEの北海ブレント原油10月限は37セント上昇の52.41ドル。
原題:Oil Rises, Gasoline Gains Ease Ahead of Hurricane Harvey(抜粋)

◎欧州株:小幅下落、ユーロ上昇が響く-小売株は1年強ぶり安値

  25日の欧州株式相場は薄商いの中で小幅に下落。ユーロがドルに対して2015年以来の高値に上昇したことを嫌気し、売りが優勢になった。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%安の374.07で終了。週間でも0.1%未満の下落だった。この日は小売株指数が1年1カ月ぶりの安値水準に下落した。出来高は30日平均を27%下回った。

  ユーロはドルに対して0.7%高で、月内で最高の上昇率。ユーロ・ストックス50指数のボラティリティーを示すVStoxx指数は今月16日以来の水準に低下した。
原題:European Stocks Slip as Euro Strengthens, Retailers Tumble(抜粋)

◎欧州債:中核国債持ち直す、イエレン議長講演で上昇した米国債に連動

  25日の欧州債市場では、ドイツ債先物が朝方から下落したが、イエレンFRB議長の講演を受けて米国債の上昇とともに中核国債は持ち直した。来週に長期債の発行が見込まれるフィンランド国債は軟調。

  ドイツ債は続落。5年債先物で大口のブロックトレードが成立した後、5年債と10年債の利回り格差は縮小した。

  スペイン債は振るわず、10年ー30年債利回りはそれぞれ2-3bp上昇。複数のトレーダーによると、利益確定の売りが続いた。

  イエレンFRB議長はジャクソンホールでの講演で金融政策を議論せず、予想外のタカ派発言に備えてポジションを取っていた向きを失望させた。これにより米国債が上昇に転じ、ドイツ債もつられて動いた。
原題:Bunds Pare Losses as USTs Bounce; End-of-Day Curves and Spreads(抜粋

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