【日本株週間展望】反発、良好な実体経済に目が向く-米政治には留意

  • 8月の経済指標は米国中心に底堅さを示す見通し
  • 米歳出法案など難航なら米金利低下・円高圧力、日本株の重しに

8月5週(8月28ー9月1日)の日本株は反発が見込まれる。米国を中心に8月の経済指標は底堅いとみられ、グローバル景気の回復基調を背景とした業績期待の見直し買いが優勢となりそう。米国の政治情勢動向は引き続き注視される。

  米国では29日に8月の消費者信頼感指数、1日には雇用統計や供給管理協会(ISM)製造業景況指数、新車販売が発表される。雇用統計での非農業部門雇用者の増加数は18万人と前回の20万9000人から減少が見込まれているが、同統計をみる上で重要な30日のADP雇用統計は増加の予想。ISM製造業指数は56.4へ小幅上昇、消費者信頼感指数は120に低下の見通しだ。中国で31日に発表される8月の製造業購買担当者指数(PMI)は前回と同じ51.4となる見込み。

株価ボードと歩行者(イメージ)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  米指標は、市場予想は強弱まちまちでも、景気循環からの回復局面が長期化し水準そのものは高い。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げとバランスシート縮小に緩やかに動くと予想される中で、景気は引き続き金融政策の変化に耐えうるだけの底堅さを示していると受け止められれば、世界景気に敏感な日本株にも買い安心感が強まりそう。足元で買い手控え要因の一つだった世界の中央銀行トップが集う重要イベントを通過し、過度な警戒感の反動も出やすい。

  もっとも、米国の政治情勢が相場の不安定要因となりかねない。米国では政府機関の閉鎖を避けるため9月末までに歳出法案や債務上限問題に対応する必要があるものの、トランプ大統領と議会との関係悪化から交渉は難航している。安全資産への逃避が進めば米金利低下を通じて為替の円高につながりかねず、業績上振れ期待の後退から日本株の上値は重くなりそう。国内では31日に7月の鉱工業生産、1日に4-6月期法人企業統計などが発表されるが、影響は限定的とみられている。第4週の日経平均株価は週間で0.1%安の1万9452円61銭と、3年半ぶりの6週続落。

≪市場関係者の見方≫
東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャー
  「米ジャクソンホール会議というイベントを通過することで、いったん元の株価レンジへ戻る可能性がある。市場コンセンサスから外れる新たなメッセージがあるかもしれないとして金融市場ではリスク回避の流れが続いていただけに、日本株は企業業績などから本来あるべき水準に戻る動きになりやすい。一方、北朝鮮情勢や米債務上限問題への懸念は残り、投資家は良好な業績を評価し上値を買い進むほどの確信も持ちにくい。次回FOMCの行動待ちで、元のレンジに戻った後は上にも抜け切らないだろう」

三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジスト
  「トランプ政権への懸念はある程度株価に織り込んだ。ファンダメンタルズが良好なだけに戻りを探る展開を予想している。FRBが資産を縮小する中で利上げしても景気は大丈夫か、米政策の不安定化が経営者や消費者のマインドに影響しているのか-―を米指標で確認する週になる。米国では内需は鈍化しているが、グローバル景気が意外に堅調を保っているためその恩恵から輸出や生産は底堅く、市場の期待値を崩すことはないだろう。市場がリスクオフ気味になると円が買われて日本株の上値が重くなりがちだが、これ以上ドル売りが進むとは考えづらい」

岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「強含みを予想している。ジャクソンホール会議を通過し、警戒すべき材料が一つ消える。新たな材料は出てこないと思いながらも、イエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演を前に投資家は警戒を解くことができなかった。もっとも、トランプ米大統領と議会とのいざこざ、北朝鮮情勢という2つの不安材料は残り、引き続き指数の上昇を妨げる。鉱工業生産や法人企業統計などの国内指標は相場を動かす材料にならず、ISM製造業景況指数や雇用統計は米国の『適温経済』の裏付けにとどまりそう」

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