日本株は反落、鋼板値下げ報道で鉄鋼が下落率1位-金融、通信も軟調

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  • 米ジャクソンホールのシンポジウムを見極め、売買代金低調続く
  • 為替は一時108円80銭台、業績の上方修正期待薄れると投資家

24日の東京株式相場は反落。米国ジャクソンホールでの欧米金融当局者の発言を見極めようと様子見姿勢が強い中、米政治に対する根強い警戒感からの売りに押された。自動車用鋼板の値下げ報道が嫌気され、鉄鋼株が業種別下落率でトップ。証券など金融株や情報・通信株、陸運株も安い。

  TOPIXの終値は前日比7.85ポイント(0.5%)安の1592.20、日経平均株価は80円87銭(0.4%)安の1万9353円77銭。

  ベイビュー・アセットマネジメントの山口誠グローバル資産運用部長は、「米国のトランプ政権と議会との溝はかなり深いとみられ、債務上限引き上げを巡る警戒感は続く。日本株は上値を追う環境にはなりにくい」と指摘。一方、「ジャクソンホールでハト派的な発言が出れば、過剰流動性の継続で株式に対する安心感は出やすく、多少買いやすくなる」との見方も示した。

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Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  国境の壁の建設予算獲得のためなら、政府機関を閉鎖の瀬戸際に追い込むことも辞さないとトランプ米大統領が発言したことを受け、23日の海外金融市場では安全資産への逃避の動きが広がった。米国債は反発し、10年債利回りは2.17%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。米国株は、S&P500種株価指数は0.4%安と反落した。

  きょうのドル・円相場は、朝方に1ドル=108円80銭台と前日の日本株終了時点109円45銭からドル安・円高が進行。その後109円20銭台までドルが戻したが、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「企業の今期想定為替レートは1ドル=108円台で、業績の上方修正期待は後退している。割安感はあっても、日本株は投資魅力に欠ける」と言う。また、伊藤氏は外部環境について「米大統領を巡る政局リスク、地政学リスク、FRBの資産圧縮と三重苦」と指摘した。前日発表の7月の米新築一戸建て住宅販売も、年率換算で前月比9.4%減の57万1000戸とことし最低だった。

  この日の日本株は下落して始まり、TOPIXは一時プラス転換する場面もあったが、午後後半にかけじり安展開となった。買いが入りにくかった要因の一つは、欧米金融当局者の発言待ちだ。米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムが24日、ワイオミング州ジャクソンホールで始まる。25日には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が講演予定。岡三オンライン証の伊藤氏は、「イエレンFRB議長はマーケットとの対話を重視しており、ジャクソンホールでの講演を受け株式相場が急落することにはならない」と予想、「日本株を売り込むのもリスク」とみる。

  東証1部33業種は鉄鋼、証券・商品先物取引、空運、陸運、その他金融、電気・ガス、情報・通信など29業種が下落。鉱業や非鉄金属、化学、石油・石炭製品の4業種は上昇。鉄鋼は、自動車用鋼板の1年半ぶり値下げの報道が嫌気された。23日夕の共同通信によれば、トヨタ自動車と鉄鋼大手が2017年度上期の自動車用鋼板価格を前年度下期に比べ値下げすることで合意。値下げは15年度下期以来という。メリルリンチ日本証券では鋼材マージンの悪化につながり、鉄鋼各社にネガティブで、ベース値上げの機運も後退すると懸念を示した。

  売買代金上位ではJFEホールディングスや新日鉄住金、神戸製鋼所の下げが大きく、大和証が業績予想を減額したカルビーも安い。半面、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が利益予想を増額した三井金属、スマートフォン向けゲームアプリの新作が好調なセガサミーホールディングスは高い。

  • 東証1部の売買高は14億4222万株、売買代金は1兆7484億円
  • 上昇銘柄数は878、下落は1006
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