8月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、低調な米統計やトランプ氏の政府閉鎖警告で

  23日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米国の経済統計が低調だったほか、トランプ大統領が国境の壁建設予算を巡り、米政府機関を閉鎖の瀬戸際に追い込むこともいとわない考えを示したことが嫌気された。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.5%下げて1ドル=109円04銭。ユーロは対ドルで0.4%高い1ユーロ=1.1807ドル。欧州中央銀行(ECB)政策メンバーのハンソン・エストニア中銀総裁の発言を受けて、1.1823ドルまで上昇する場面もあった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%下落。

  7月の米新築住宅販売は前月比で減少、ドルの一段安を招いた。一方、IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)は2カ月ぶり高水準だった。

  投資家は引き続きカンザスシティー連銀が今週後半にジャクソンホールで開く年次シンポジウムに注目している。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が講演する予定だ。

  北朝鮮が朝鮮半島で行われている軍事演習を非難すると、ドルは対円で1ドル=109円を下回った。

  複数のトレーダーは、トランプ大統領の発言内容が大統領の望んでいる政策には反映されない可能性があるとの見方も広範なドル下落の背景にあると指摘した。
  
  ハンソン総裁は23日にタリンでインタビューに応じ、これまでのところユーロは「大きな変化とは思われないコリドー内で動いている」と述べた。同総裁は「多数の明るいニュースが流れた現状において、欧州についての総合的な見方がしばらく前に比べて明るくなったと市場が認識し、そのように反応しても驚きではない。そうした状況は通貨を若干強くする」と述べた。

欧州時間の取引

  ユーロは対ドルで1ユーロ=1.1800ドルに上昇した。軟調なドルの地合いがユーロ買いを支えた。英ポンドは対ドルで2カ月ぶり安値の1ポンド=1.2787ドルに下げた。

  ドラギ総裁は23日、ドイツのリンダウで講演し、中銀当局者は将来の経済の展開に備え柔軟な思考を持つことが必要だと説いた。ドラギ総裁の発言内容は相場を動かす材料とはならず、ジャクソンホールでの講演が一段と注目を集める結果となった。
原題:Dollar Defensive as Data Contrast Sets Stage for Jackson Hole(抜粋)
EUR Rises to Fresh High vs USD as ECB’s Hansson Downplays Gains(抜粋)
Dollar Extends Losses After Uncertainty on Trump: Inside G-10(抜粋)
Draghi Says Central Banks Must Be Open-Minded to Meet Challenges(抜粋)
ECB’s Hansson Says Euro’s Gains So Far Aren’t ‘A Big Change’(抜粋)

◎米国株:反落、トランプ大統領の「政府閉鎖」発言で政策への影響懸念

  23日の米株式相場は3日ぶりに下落。トランプ大統領が前日の集会で、国境の壁建設のための予算確保で必要であれば政府閉鎖も辞さない考えを示したことから、債務上限引き上げや税制改革に影響が及ぶとの懸念が広がった。

  トランプ大統領は2016年の選挙戦で公約した国境の壁建設について、予算獲得のため議会への圧力が必要なら、米国を政府機関閉鎖の瀬戸際に追い込むこともいとわない考えを示した。格付け会社フィッチ・レーティングスは、米国の債務上限がタイミング良く引き上げられない場合、米国のソブリン格付けを見直すことになると指摘した。

  S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2444.04。ダウ工業株30種平均は87.80ドル(0.4%)下げて21812.09ドル。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は前日の上昇について、税制改革法案への期待が主な要因だと分析。その上で、「少なくともその期待の一部が消え去った」と指摘した。またこの日の下落には「トランプ大統領とマコネル上院院内総務との関係がひどく悪化している」との報道も影響したと述べた。

  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、トランプ大統領とマコネル共和党上院院内総務の関係を分析し、両者の関係は共有する政策課題に悪影響を及ぼすリスクがあるレベルまで悪化していると伝えた。

  S&P500種の業種別11指数では、情報技術と金融がともに0.2%安。一方で不動産や公益、エネルギーは上げた。

  大きく下げたのは資本財・サービスや一般消費財だった。個別銘柄ではアメリカン航空グループやユナイテッド・レンタルズ、CSXが安い。
原題:Stocks Fall, Treasuries Advance on Policy Concerns: Markets Wrap(抜粋)
原題:Trump Threatens Government Shutdown Over Border Wall Funding (2)(抜粋)
原題:Fitch May Review U.S. Rating Negatively If No Debt Ceiling Raise(抜粋)
原題:U.S. Stocks End Lower in Thin Trading as Industrial Shares Drop(抜粋)

◎米国債:反発、トランプ大統領の政府閉鎖警告で安全逃避

  23日の米国債相場は反発。10年債をはじめ幅広い年限で米国債が寄り付きから買われ、取引終了まで上げ幅を拡大した。トランプ大統領が前日、国境の壁の建設予算を獲得するために必要なら米国を政府機関閉鎖の瀬戸際に追い込むことも辞さないと述べ、安全資産への逃避が活発化した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して2.17%。

  この日の国債相場上昇は、前日の相場下落を受けたショートカバーの動きを伴った。朝方の取引でまずトランプ氏の前夜の演説内容を消化。先物取引開始前後に相場上昇の勢いが増し、出来高も膨らんだ。

  市場では、政府閉鎖が実際に起きた場合、米国債利回りが年初来最低水準をつけるとの見方が出ている。BMOキャピタルが顧客を対象に今月実施した調査で、回答者の77%は政府閉鎖があれば米国債相場の強材料になり、10年債利回りが13bp低下する可能性があると答えた。現時点での年初来最低水準は2.1%。

  BMOのストラテジスト、イアン・リンジェン氏とアーロン・コーリ氏は23日付のリポートで、「より重要なのは政府閉鎖が起きるかどうかではなく、その危険性に関してどの程度強硬な発言が期日までに出るかだ」と指摘した。両氏によると、この問題を巡る議論の白熱で、9月には10年債利回りが昨年11月以降で初めて2%を割り込む可能性がある。

  格付け会社フィッチ・レーティングスは、政府機関閉鎖は米国の「AAA」格付けに直接影響しないとする一方、米国の債務上限がタイミング良く引き上げられない場合、米国のソブリン格付けを見直すことになると指摘した。
原題:Treasuries Rally on Trump Threat, Front-End Swap Spreads Tighten(抜粋)
原題:Lowest Bond Yields of 2017 Are Just a Government Shutdown Away(抜粋)

◎NY金:上昇、トランプ大統領の政府閉鎖示唆で安全への逃避需要

  23日の金先物相場は、小幅上昇。上値抵抗線の1300ドル手前で小動き。トランプ米大統領が政府閉鎖も辞さないと発言し、株式相場が下落した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.3%高の1オンス=1294.70ドルで終了。

  「安全資産として金を買う動きもあった」とRJOフューチャーズのシニア・マーケット・ストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで指摘。「政府閉鎖の期間、米国の景気や企業への影響は予測不可能。不安が金を後押しする」。

  銀先物は上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ先物は下げ、パラジウム先物は上げた。
原題:Gold Rises as Trump Threatens Government Shutdown; Copper Swings(抜粋)

◎NY原油:続伸、在庫減少で-需要期終了の懸念が後退

  23日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続伸。米エネルギー情報局の統計で原油在庫が8週連続で減少し、ガソリン在庫も縮小した。これを受けて買いが入った。

  トータス・キャピタル・アドバイザーズのアナリスト、ニック・ホームズ氏は「需要期である夏季のドライブシーズンが終わりつつある中、在庫減少の継続は相場上昇には良いことだ」と指摘。「製油所の保守・点検シーズンに向かう中、それは価格の支援材料となるだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物10月限は前日比58セント(1.2%)高い1バレル=48.41ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント10月限は70セント高の52.57ドル。
原題:Oil Climbs as Stockpile Drop Allays Worries Over Summer’s End(抜粋)

◎欧州株:反落、WPP急落でメディア株下落

  23日の欧州株式相場は反落した。過去5営業日で下落は4日目。鉱業株は買われたが、世界最大の広告会社WPPが急落し、メディア株を押し下げた。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.5%安の373.92で終了。WPPは11%安と1998年以来の下げ幅。通期の売上高予測を下方修正したことが響いた。鉱業株指数は0.6%高で3日続伸。

  英FTSE100指数は前日比ほぼ変わらず、フランスCAC40指数は0.3%安、ドイツDAX指数は0.5%安となった 。
原題:Europe Stocks Drop as Media Firms’ Slump Outweighs Miners’ Gains(抜粋)

◎欧州債:中核国債が上昇、トランプ大統領発言でリスクオフ

  23日の欧州債市場では、中核国債が上昇。トランプ米大統領が国境の壁建設費用を議会が認めない場合は連邦政府閉鎖も辞さないと警告したことに反応し、リスクオフの動きが市場を席巻する中でブルフラット化が進んだ。 

  リスク資産が売られる一方、ドルに対する円の上昇や米国債の堅調がドイツ債を押し上げ。朝方は好調なドイツPMIやドイツ債入札の需要低調を受け、同国債は下落。だが6年債入札で堅調な需要を集めた英国債が反発し、ドイツ債もつれて上昇に転じた。

  イタリア債は再び軟調で、10年債に売りが続いたートレーダー。
原題:Core Rallies Led by Treasury Gain; End-of-Day Curves and Spreads(抜粋)

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