ドル・円が反落、トランプ大統領発言を嫌気-109円前半

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  • 米大統領、壁建設費用巡り政府機関閉鎖を警告
  • 朝方は米税制改革前進期待で109円83銭までドル買い・円売りが進行

東京外国為替市場ではドル・円相場が4営業日ぶり高値から反落した。トランプ米大統領が壁建設費用を巡って政府機関の閉鎖も辞さない姿勢を示したことなどが嫌気された。朝方は米税制改革の前進期待から1ドル=109円台後半まで上昇していた。

  23日午後3時37分現在のドル・円は前日比0.2%安の109円39銭。朝方は前日の米国株高や米金利上昇を受けて109円83銭までドル買い・円売りが進んだが、正午前にトランプ大統領の発言が伝わるとドル売り・円買いが強まり、午後には109円33銭まで値を下げた。

  トランプ大統領は22日、アリゾナ州フェニックスでの集会で、2016年の選挙戦で中心的な公約だった国境の壁の建設について、予算獲得で議会に圧力を掛ける必要があれば、米国を政府機関閉鎖の瀬戸際に追い込むと警告した。また、北米自由貿易協定(NAFTA)について、「ある時点で終わらせることになるだろうと思う」と述べた。
  
  みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「トランプ政権は戦略もブレーンもいない危うい政権との見方は変わっていない」とし、「行き詰まり感が出るのは時間の問題」と指摘。大型減税の実現の可能性についても懐疑的にみており、「大きなドル安の流れは明確」と話した。

  トランプ発言を受けて、米長期金利は時間外取引で低下。米株価指数先物は下げ幅を拡大した。前日の米国市場では米税制改革が大きく前進するとの報道を受けて米国株が続伸、米10年債利回りは4営業日ぶりの水準となる2.21%に上昇していた。
  
  23日の東京株式相場は上昇、日経平均株価は取引開始直後に177円上げた。ただ、その後は伸び悩む展開となり、午後には24円高まで上げ幅を縮める場面が見られた。
  
  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円は朝方に上方向のストップ(損失を限定するためのドル買い注文)を付けた後、トランプ発言を受けて下方向のストップ(損失限定の為のドル売り注文)を付けたと説明。「ジャクソンホールが控える中で、ポジションを削減する動きが続いている」とし、このまま下に走る感じもしないと話した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)とイエレン議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに出席、25日に講演する。ドラギ総裁は23日にもドイツのリンダウで話す予定で、米国では今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーであるダラス連銀のカプラン総裁の講演する。

  ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=129円12銭まで上昇した後伸び悩み、午後には128円51銭まで下落。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.17ドル台半ばと前日の海外市場で付けた安値(1.1745ドル)付近でもみ合う展開が続いた。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、ドラギ総裁の講演について「予測は出来ないが、ユーロががんがん走るのは望まないだろう」と言い、「タカ派発言はしない」と予想。その上で、金融政策はいずれ中立に戻さなければならず、ユーロは上昇していくとみているが、「時間がかかるだろう」とした。

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