米国債の「ゴールデン」取引継続-リスク見えても乗り遅れれば負け

  • デュレーション長めの債券を保有する取引はこれまでのところ奏功
  • 利回りが過去最低付近の中で警戒する声は強まっている

米国債が歴史上、最も敬遠されているかもしれない値上がり局面入りして数年がたった。トレーダーはブームに乗らなければ負け続けるというジレンマを抱えている。

  ソシエテ・ジェネラルのストラテジストの言葉を借りれば、この現象はデュレーションが長めの債券を保有する「ゴールデン」取引を助長している。この取引では万が一の場合にも幾分備えるが、グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長を含め、利回りが歴史的な低水準付近の米国債への警戒の声は強まっている。

  ソシエテの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「問題はショート(売り持ち)にする起爆剤が市場に出てこないことだ」と指摘する。「低インフレのため適温経済のシナリオ下にあり、市場は米金融当局の積極性後退を織り込みつつある。けれども、債券のバリュエーションはあまりに高い」と話した。

  米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファンドなど投機を大口で手掛ける投資家は米長期国債に4-6月から強気。利回り上昇見通しが外れ始め、インフレ指標も予想を下回ったため、ポジションを転換した。 

  だが、ここで予想外の何かが起きれば、債券強気派には高く付きかねない。10年物の米国債利回りは2.2%前後と、今年これまでの最低水準からそれほど離れていない。これだけ利回りが低いと、1ポイントの上昇で価値が4560億ドル(約50兆円)減少することを、ブルームバーグ・バークレイズ米国債指数は示す。同指数は年初来リターンがプラス2.9%。世界のソブリン指数はプラス7.5%。

ブルームバーグのバーマ記者がジャンク債についてリポート

(出所:Bloomberg)

  ラジャッパ氏は「ゴールデン取引はこれまでのところ、非常にうまくいった」とした上で、「リスクは転換が予想されることだ。常に債券ロング(買い持ち)がうまくいくとは限らないことをわれわれは知っている。以前にも大規模な一斉売りを目にしている」と述べた。

原題:Bond Market’s Golden Trade Endures as Looming Risk Spurs Hedgers(抜粋)

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