モルガン・スタンレーやHSBCホールディングス、シティグループなどウォール街の大手銀行は、景気循環の下降を控え世界の市場が上昇局面の最後の段階であることを示す証拠が増えつつあるとみている。

Photographer: Victor J. Blue

  各行のアナリストは、株式・債券・商品の長期的関係が崩れていることや投資家がバリュエーションとファンダメンタルズ、データを無視していることを理由に挙げている。全てが株式・クレジット市場が痛みを伴う下落のリスクにさらされていることを意味しているという。

モルガン・スタンレー

  モルガン・スタンレーの首席クロスアセットストラテジスト、アンドルー・シーツ氏は22日公表したリポートで、「株式と為替の相関関係が低下し、為替は金利との相関性が薄れている。原油相場に対する敏感さが全てにおいて小さくなっている」と指摘した。

   同行のモデルは、危機へと突っ走っていた2007年当時のように、投資家が個別の証券や業界に特有のリスクに基づいて資産の価格を形成しており、直近の製造業データといったより広範なけん引材料を十分に織り込んでいないことを示している。
 

モルガン・スタンレー

  
  「こうしたマクロとミクロの相関性の低さから、景気サイクル終盤の環境にあるとの見方が裏付けられる。前回こうした状況になったのが05-07年であるのは偶然ではない」とシーツ氏はコメント。同氏は個人消費とエネルギーに関連する社債保有を減らし、米国株の割り当てを増やすことを勧めている。

Zero Alpha Beats - Bank of America Corp
Zero Alpha Beats - Bank of America Corp

  バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BofAML)の米株式・クオンツ戦略責任者サビタ・スブラマニアン氏は、投資家が企業利益にさほど注意を払っていないというシグナルは、世界的な上げ相場が間もなく息切れする可能性を示唆していると分析。同氏のリサーチによると、2000年代半ば以来初めて、11セクター全般においてアナリストの収益見通しを上回った企業が、投資家から好ましい反応を受けない状況となっている。

  スブラマニアン氏は今月のリポートで、「こうした反応の欠如はサイクル終盤のシグナルだろう。すでに良好な業績・ガイダンスを反映する以上の期待やポジショニングであることを示唆している」と記した。

出所:オックスフォード・エコノミクスなど
出所:オックスフォード・エコノミクスなど
出所:ソシエテ・ジェネラルなど
出所:ソシエテ・ジェネラルなど

  HSBCの債券調査グローバル責任者スティーブン・メジャー氏は今月、クレジット市場が過熱しているとの判断に基づき、顧客に対し欧州社債の保有を減らすよう勧めた。資本損失の見通しや流動性リスク、ボラティリティー拡大に釣り合うプレミアムではないとしている。

HSBC
HSBC

  シティも、市場は今、株式と債券に弱気相場をもたらすリセッション(景気後退)前のサイクル終盤のピークに突入する地点にあると分析。 ロバート・バックランド氏らアナリストは18日のリポートで、「年月を経た株式強気相場でバブルは一般的だ」と説明した。

原題:Wall Street Banks See Rallies Imperiled as Business Cycle Peaks(抜粋)

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