崩れる日本株と円の相関性、「常識」見直す時-企業の実力評価(訂正)

訂正済み
  • TOPIXとドル・円の相関係数は2012年以来の低水準
  • 円安の追い風なくても業績良好-JPモルガンのワインドリング氏

日本株が何年も縛り付けられてきた力から解き放たれる瞬間が近づきつつある兆候が見られる。

  この力とは円だ。これまで日経平均株価のような輸出企業のウエートが高い指数の動きを占うには、ドル・円相場さえ見ておけば大抵は十分だったが、日本経済が安定の兆しを見せ企業業績が上向く現在、その連動性は薄れつつある。

  円が対ドルで4カ月ぶり高値近辺にあっても、TOPIXは4月以降に5.5%上昇。TOPIXとドル・円の相関係数は週間ベースでマイナス0.18と、2012年以来の水準に低下している。2月にはことし最高のプラス0.83に達していた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ニコラス・ワインドリング氏(東京在勤)は電話取材で、「日本企業の業績は好調だ」と指摘。「純利益は20%を超える勢いで伸びていて、円安の追い風がなくても好調。結局のところ、長期的には全て企業のファンダメンタルズに行き着く」と語った。TOPIX構成企業の4-6月期利益は、アナリスト予想を平均して約16%上回った。
  

  
  SMBC日興キャピタル・マーケッツ(ロンドン)のストラテジスト、ジョナサン・アラム氏は、「円の上昇を予想しながら日本株に強気なら、正気を失ったと思われるものだ」と述べる一方、「日本経済や企業のデータは、日本が円高に対して人々が思うほど脆弱(ぜいじゃく)ではないことを示している」と語った。

  もちろん、こうした見方に異を唱える向きもある。UBS証券ウェルス・マネジメント本部の日本株リサーチヘッドを務める居林通氏は、日本企業の多くは海外で利益の大半を稼いでいるため、円相場が日本の企業収益に影響を及ぼす「唯一最大の要素」だとみる。

  だが、円が1ドル=108-114円のレンジで推移する中、今四半期のTOPIX構成企業の1株利益(EPS)は前年同期比27%上昇。同指数の株価収益率(PER)は14倍近辺で、米S&P500種株価指数の約18倍やストックス欧州600指数の約15倍を下回る。
  

  

  JPモルガンのワインドリング氏は、日本の企業収益の伸びは非常に力強いが、株式相場に米国のような割高感はないと指摘。これこそ「もっと本気で日本に目を向けるべき強力な理由だ」と語った。
  

原題:Thinking the Unthinkable in Japan: Stocks Freed From Yen’s Grip(抜粋)

(23日配信の記事でワインドリング氏の肩書を訂正します.)
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