大手米銀に3兆円の恩恵、トランプ大統領の規制緩和で増益20%も

更新日時
  • JPモルガンとモルガン・スタンレーは税引き前利益22%増-試算
  • ゴールドマンは16%増益にとどまる-ブルームバーグ試算

ワシントンで吹く規制緩和の風に後押しされ、大手米銀6行の通期税引き前利益は合わせて270億ドル(約3兆円)増える可能性がある。これは20%程度の増益に相当する。

  ブルームバーグがアナリストに話を聞き、各行の開示資料に基づいて試算したところによれば、JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーはトランプ政権が提案している規制緩和の恩恵が最も大きく、税引き前利益が22%増える。ゴールドマン・サックス・グループの増益率は最も小さく約16%と試算。大手6行はほかにバンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、ウェルズ・ファーゴ。

  ブルームバーグは主に、規制緩和によって生じる銀行のポートフォリオ調整とその金利収入に基づいて試算。規制変更案は銀行が受け入れられる預金の上限を引き上げるほか、余剰資金で比較的高利回りの米国債や地方債に投資できる余地を広げ、預金金利より高い利率の債券の発行減少を可能にする内容。

  ムニューシン財務長官が6月に示した変更案の中で恐らく銀行利益に最も影響が大きいのは、預金や借入金だけで米国債を購入することが認められる点だろう。地方債を売却が容易な流動的資産に分類できることや、規制順守が容易になることなども利益を押し上げる可能性がある。

  これらの規制変更は議会の承認を必要とせず、トランプ大統領が指名した規制当局の責任者の権限で実現が可能となる。その場合、資本と流動性の要件を厳格化する2008年以降の取り組みに逆行し、規制を緩め過ぎるリスクを懸念するアナリストや投資家もいる。

  スタンダード・ライフ・アバディーンで米金融機関債の投資を率いるウィリアム・ハインズ氏は、「資本の最低要件が低くなり過ぎたり、制約が緩くなり過ぎたりすると、銀行のリスクテークが拡大しシステムが脆弱になる恐れがある」と話した。

原題:Big U.S. Banks Could See Profit Jump 20% With Trump Deregulation(抜粋)

(第2段落に加筆し第4段落以下を追加します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE