日本株は上昇、米税制改革の進展観測-繊維や通信、石油中心買われる

更新日時
  • 朝高後は伸び悩み、米大統領発言材料に為替市場で円強含む
  • 売買代金は低調、3営業日連続で2兆円を下回る

23日の東京株式相場は上昇。米国の税制改革が進展するとの観測から前日の米国株が続伸し、投資家心理が好転した。直近の円高の勢い一服も支援材料。業種別では繊維株や情報・通信株が高く、海外原油市況の反発を背景に石油株も高い。

  ただし、トランプ米大統領の発言をきっかけに昼休み時間帯の為替市場で円が強含むと、午後の主要株価指数は上げ幅を縮めた。

  TOPIXの終値は前日比3.93ポイント(0.2%)高の1600.05と4営業日ぶりに1600ポイントを回復、日経平均株価は50円80銭(0.3%)高の1万9434円64銭。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「ジャクソンホール会議待ちで明確な方向性が出にくい中、米税制改革で進展が見られるのではないかと好感された」と言う。一方、トランプ米大統領の政府機関の閉鎖を巡る発言については、「トランプ政権の幹部らが火消しをするとみられる。幹部らの発言を待ちたい」との認識を示した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米税制改革で個人と企業の税負担を軽減する財源を確保する手段について、トランプ米大統領の上級顧問らや共和党議員らが共通の見解に達した、とポリティコが事情に詳しい関係者の話を基に報じた。また、米議会共和党内で、相殺措置の説明なしで約4500億ドル(約49兆3600億円)の追加減税を認める予算手法を検討する主要メンバーが増えている、と議会スタッフが明らかにした。

  これを受けた22日の米国株は、S&P500種株価指数が1%高と続伸した半面、米国債は反落し、10年債利回りは2.21%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げた。

  米国株高、ドル・円の円高一服を材料にきょうの日本株は朝方に見直し買いが先行、日経平均で一時177円高の1万9561円まで上昇する場面があった。しかし、徐々に上値が重くなると、為替の円強含みを受けた午後にかけ一段と伸び悩み。きょうのドル・円は、午前に一時1ドル=109円80銭台と前日の日本株終値時点109円28銭からドル高・円安方向に振れていたが、午後は109円30銭台までドルが反落した。

  動きが変わったきっかけはトランプ米大統領の発言だ。トランプ氏はアリゾナ州での集会で、「われわれが政府閉鎖を行わなければならなくても、自分たちは壁を建設することになる」と述べた。SMBC日興証券の投資情報部の母良田剛氏は、「米政府の閉鎖リスクが懸念された。政府が閉鎖されれば来年の予算が通らず、米税制改革を含め全てが止まってしまう」と話している。

  このほか、カンザスシティー連銀が24日から米ジャクソンホールで開く年次シンポジウムに対する様子見姿勢も相場の上値抑制要因。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、ジャクソンホール会議は「FRBのハト派的な金融政策を確認するプロセス。イエレン議長はマイルドな金融政策の転換を示唆するとみられ、様子見ムードはいったん払しょくされる」とみる。

  東証1部33業種は繊維、石油・石炭製品、パルプ・紙、情報・通信、小売、電機、サービスなど22業種が上昇。石油は、前日のニューヨーク原油先物が0.6%高の1バレル=47.64ドルと反発したほか、JPモルガン証券が投資判断を上げたコスモエネルギーホールディングの上昇が寄与。鉄鋼や海運、電気・ガス、銀行、その他金融、卸売など11業種は下落。

  売買代金上位ではキーエンスのほか、8月既存店の売上高が伸びたニトリホールディングス、みずほ証券が目標株価を上げた昭和電工が高い。半面、公募増資のアインホールディングスやアナリストが国内ビールサーバーの需要減退に懸念を示したホシザキが安く、JFEホールディングスや日本ペイントホールディングスも下げた。

  • 東証1部の売買高は14億5332万株、売買代金は1兆9034億円と代金は3日連続で2兆円割れ
  • 上昇銘柄数は1044、下落は842
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