債券トレーダー、再びFRBに注目-米政治混乱に振り回された後
Brian Chappatta-
イエレン、ドラギ両氏が25日にジャクソンホールで講演
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両氏は少なくとも筋書守ると債券トレーダーは認識
米ワイオミング州ジャクソンホールで24日から開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに出席するイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長とドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁についてはさまざまな意見があるだろうが、2人は少なくとも筋書きを守るというのが債券トレーダーらの認識だ。
今週は重要な経済指標の発表がなく、イエレン、ドラギ両氏が25日に講演を行う同シンポジウムが焦点となる。イエレン議長はFRBがインフレを注視しており、最終的には上向くと予想しているとの見解を恐らくあらためて示すとみられ、ドラギ総裁は新たな政策メッセージを発することはないと伝えられている。
トランプ米大統領がバージニア州シャーロッツビルの騒動の責任は白人至上主義者と反対派の双方にあると15日に発言して以来、政治的混乱が続いていたが、BMOキャピタル・マーケッツの表現を借りれば、「行動なし」の同シンポジウムはつかの間の息抜きとなる見込み。投資家がトランプ政権が何を成し遂げ得るのか見極めようとする中、債券トレーダーらは、大統領の助言組織解散や、コーン国家経済会議(NEC)委員長とバノン大統領首席戦略官の去就など政権の思惑に振り回された。
CIBCワールド・マーケッツの米国債トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏は「最近の出来事はトランプ政権にとってプラス材料ではないため、今後、トランプ大統領は何ができるのかとの疑念が広がり始めている」と分析。「新たな材料が入るまで、われわれは現状のまま時間稼ぎをしている」が、ジャクソンホールは新たな材料にならないだろうと指摘した。

原題:Bond Traders Whipsawed by Trump Palace Intrigue Turn Back to Fed(抜粋)